2010 Fiscal Year Annual Research Report
情報化時代における地理情報の利活用に関する研究 ―「参加型GIS」を事例に―
Project/Area Number |
10J08321
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
瀬戸 寿一 立命館大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 地理情報科学 / 市民参加型GIS / GISと社会 / データベース / Webマッピング / イギリス:アメリカ / まちづくり / 京都 |
Research Abstract |
平成22年度は,地理空間情報の社会における活用に関して世界的な動向を中心に研究し,その成果を展望論文として発表した.また,日本国内での実証的研究を進め,国内および海外の学会で発表した. 地理空間情報の社会における活用についての調査活動は,市民参加におけるGIS活用を中心に,これまでの研究では明らかにされていなかったWebおよびこれに関連する技術やサービスを中心に,2000年以降の主に英語圏での事例を調査し展望論文としてまとめた.この論文では従来のGISを用いた取り組みにWebを併用することによって,専門知の蓄積のみならず,日常生活やまちづくりに関わる地理空間情報を効率的に収集・蓄積・活用できることが明らかとなった.論文中では,概念的な検討と共に,国内外の先行事例を詳しく検討し,今後予想される展開についても考察した.また,これらの分野で取り上げられている地理空間情報の内容として,従来のGIS研究において中心的であった定量的データのみならず,市民調査等から得られる定性的データを組み合わせて分析することで新たな知見を探索的に発見する質的GISの可能性についても検討した. 現在の地理空間情報と重ね合わせ,操作しやすいインターフェースで提供されることにより,景観変遷に関する視覚的研究だけでなく,例えばまちづくりの基礎的な材料になることが期待される.これらの研究は続行中であり,平成23年度にかけて論文執筆を進める予定である.
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