2010 Fiscal Year Annual Research Report
活動銀河核における降着円盤-ジェット系の状態遷移の解明
Project/Area Number |
10J08395
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
瀬田 裕美 埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | X線観測 / すざく衛星 / 活動銀河核 / ジェット / ASTRO-H衛星 / X線マイクロカロリメータ |
Research Abstract |
1.活動銀河核ジェットの放出するエネルギーを測定するため、ジェットの噴出したエネルギーの溜まり場である電波ローブに着目し、X線天文衛星すざくの観測データを用いて解析をおこなった。 (1)電波銀河ろ座Aの300ksにわたるデータを解析し、約30分にわたって広がる巨大電波ローブのX線輝度分布を精密測定した。電波の強度分布と比較することで、ローブにたまった磁場、電子のエネルギー密度の空間分布を調べた。この結果を、国際学会、天文学会において発表し、紀要を執筆した(Seta et al.2011)。 (2)電波ローブが数Mpcほどに成長した年老いた電波銀河を観測し、ローブにたまった電子のエネルギー密度が、若い電波銀河と同程度もつことを明らかにした。つまり、ジェットからのエネルギー注入が変わらず起こっていることを示した(Isobe et al.2011)。 2.次期X線天文衛星ASTRO-Hに搭載する精密分光撮像器X線マイクロカロリメータのデジタル波形処理システムの開発を行った。マイクロカロリメータで得られるデータは、ほかの機器に比べて非常に大量であるため、軌道上でのデジタル波形処理システムのデータ解析が重要になる。そこで、製作した概念実証機を用いて、設計の妥当性を実証した。具体的には、FPGAのロジックサイズ、CPUの処理速度、FPGA-CPU間の通信速度、アナログインターフェイスについて設計要求を満たせるかどうか評価した。インタフェース試験に関しては、アナログ機器開発担当の米国ゴダード宇宙センターに3週間滞在し、試験を行った。得られた結果を参考にして、エンジニアリングモデルの設計を行った。これらの結果は、国際学会で発表した。
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Research Products
(3 results)