2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J08556
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 有希子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 毘沙門天 / 安西城霊験譚 / 敦煌・吐蕃占領期 / 地蔵寺経幢 / 甲制 / 法門寺 / 地宮 / 于〓 |
Research Abstract |
2010年5月、第55回国際東方学者会議にて「雲南省昆明市・地蔵寺経幢に関する一考察」と題する口頭発表を行う。7月、中国・敦煌にて開催された吐蕃時期敦煌石窟芸術研究国際研討会で「敦煌の中唐吐蕃期における毘沙門天像」と題する口頭発表を行う。9月、武蔵野美術大学・朴亨國教授と青山学院大学・浅井和春教授を中心とし、中国・遼寧省(大連、旅順、瀋陽、遼陽、阜新、朝陽、錦州など)で彫刻作品調査を行った。10月~2011年3月、研究指導委託により、中国・陝西省考古研究院に訪問研究者として、2011年9月まで約1年間の予定で受け入れ。また、この間、下記の論文二本、新聞記事一本を執筆。 1、"An Examination of the Sutra Pillar at Ksitigarbha Temple in Kun-ming City,Yun-nan Province",Transactions of the International Conference of Eastern Studies,(国際東方学者会議紀要)55,2010.12 2、「敦煌の中唐吐蕃期における毘沙門天像」、『吐蕃時期敦煌石窟芸術研究国際研討会論文集』(2011年10月刊行予定) 3、「中唐・吐蕃時期〓沙門天像的一个考察」『中国社会科学報』131期、2010年10月 今年度中の研究では、敦煌における吐蕃占領期(8世紀後半~9世紀前半)の毘沙門天像についての考察を経て、独尊の毘沙門天像が敦煌地域で流行する初期、つまり中原でいわゆる「安西城霊験譚」が成立した8世紀後半以降の状況を如実に反映した時期にについて知見を得ることができた。引き続き、今度は中原における信仰と造像の様相を考察するため、陝西省・法門寺の作品に注目し研究を進めている。2011年中に論文を執筆予定。
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Research Products
(5 results)