2010 Fiscal Year Annual Research Report
先細ノズル流れのチョークに関する研究と微小流量用臨界流量計への応用
Project/Area Number |
10J08621
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
久保 和範 北九州市立大学, 国際環境工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 圧縮性流体力学 / 先細ノズル / チョーク / 境界層 |
Research Abstract |
チョーク現象を利用して質量流量を測定する装置に臨界流量計がある.臨界流量計は高精度であるが,微小流量測定のため直径を極めて小さくすると境界層の影響が無視できなくなる.しかし,これに関してはこれまでほとんど研究されておらず,全く分かっていない.ゆえに,流れのチョークに及ぼす粘性の影響を解明し,微小流量測定を可能にすることを目的とする.今年度は,圧力・流量測定と同時にシュリーレン法を用いて管内の流れを可視化し,数値データと併せて考察を行う.本研究では,大気吸込み式風胴を用いて測定を行った.測定には,ノズル幅36mm,長さ100mm,高さ5mmの直管を取り付けた矩形先細ノズルを用いた.ノズル上流には熱式質量流量計を設置して質量流量の測定を行った.また,圧力・流量測定と同時にシュリーレン法を用いて流れ場の可視化を行った. 測定より理論質量流量と実際の質量流量の比である流出係数は0.945であり,境界層により流量が約6%減少していることが分った.また,圧力測定より得られたマッハ数は,ノズル出口よりも上流で1となる事が分った.これは,シュリーレン可視化結果においても,ノズル出口より上流で垂直衝撃波の発生を確認した事からも説明できる.他にも,流れがチョークした後に発生したマッハ波より,ノズル出口に向かって流れは加速し、ノズル出口では超音速となる事が分った.この結果から,ノズル出口より上流で流れの有効断面積が最小となっている事が考えられる.以上より,圧力・流量測定と流れの可視化によってノズル出口近傍におけるチョークのメカニズムを明らかにした.
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