2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J08997
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野崎 隆之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 誤り訂正符号 / 低密度パリティ検査符号 / エラーフロア / 二元入力無記憶対称通信路 / 二元消失通信路 / 復号誤り率 |
Research Abstract |
多元低密度パリティ検査(多元LDPC)符号は誤り訂正符号の一つであり,信念伝搬(BP)復号法によって効率的に復号できる.有限長のLDPC符号の復号誤り率は通信路パラメタに対して復号誤り率が急峻に変化するウォータフォール領域となだらかに変化するエラーフロア領域に分けられる.本研究の目的は,BP復号法を用いた場合の有限長のLDPC符号の復号誤り率を解析し,復号誤り率の低い符号を構成することである. 22年度においては,以下の3つの研究を行った. [研究1]一般の二元入力無記憶対称(MBIOS)通信路上における,有限長の多元LDPC符号のエラーフロア領域のBP復号誤り率を低減させる符号の構成法の提案 [研究2]MBIOS通信路上における,有限長の多元LDPC符号のエラーフロア領域のBP復号誤り率の解析 [研究3]二元消失通信路上での,復号停止時における状態の分布の解析 研究1によって,復号誤り率が低減するような最適化法を与えることができた.研究2によって,MBIOS通信路上における,研究1で与えた最適化された多元LDPC符号のエラーフロア領域における復号誤り率の下界を与えることができた.数値実験によって,この下界が緊密であることが確認できた.この結果によって,LDPC符号のパラメタを変化させたときの復号誤り率の予測ができるようになり,符号の構成が効率的にできることが期待される.研究3の結果は,MBIOS通信路の一つのクラスである二元消失通信路に対して,エラーフロア領域における復号誤り率の下界が緊密であることを証明に用いることができると期待できる.
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