2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J08997
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野崎 隆之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 低密度パリティ検査符号 / LDPC符号 / 多元LDPC符号 / 確率伝搬復号法 / BP復号法 / エラーフロア領域 |
Research Abstract |
多元低密度パリティ検査(多元LDPC)符号は誤り訂正符号の一つであり,確率伝搬(BP)復号法によって効率的に復号できる.符号長が有限長であるLDPC符号のBP復号誤り率は通信路パラメタに対して復号誤り率が急峻に変化するウォータフォール領域となだらかに変化するエラーフロア領域に分けられる.本研究の目的は,BP復号法を用いた場合の有限長LDPC符号の復号誤り率を解析し,復号誤り率の低い符号を構成することである. 23年度においては,多元入力無記憶通信路における,一般線形群でパリティ検査行列が定義される有限長の多元LDPC符号のエラーフロアのBP復号誤り率を低減させる符号の構成法およびその下界式を導出した.本研究によって,多元入力無記憶対称通信路における,最もエラーフロアにおける性能のよい多元LDPC符号が構成され,その性能解析も可能になった.従来研究によって,一般線形群でパリティ検査行列が定義される多元LDPC符号は,有限体で定義される多元LDPC符号より,ウォータフォール領域における復号誤り率が良いことが知られていた.しかしながら,本研究によって,一般線形群でパリティ検査行列が定義される多元LDPC符号は,有限体で定義される多元LDPC符号と等しい復号誤り率を有することが示せた.また,一般線形群でパリティ検査行列が定義される符号は,有限体で定義される多元LDPC符号と比べ,最適化の条件を満たす条件が多いことを示せた.これにより,ウォータフォール領域での最適化を容易にすることが見込まれる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究によって,エラーフロア領域において高性能な性能を有する符号を構成することができた.残された重要な研究はウォータフォール領域の性能解析ならびに改善法の提案である.
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Strategy for Future Research Activity |
以下に示されている,本研究において残された課題を解決する必要がある. 【課題1】多元LDPC符号のウォータフォール領域の復号誤り率の解析ならびに最適化 【課題2】マルチエッジタイプLDPC符号のエラーフロアおよびウォータフォール領域の解析ならびに最適化 課題2は符号長無限の場合に最適な復号誤り率を有する空間結合符号に対して性能解析をするために重要である.
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