2011 Fiscal Year Annual Research Report
酵母ユビキチンリガーゼRsp5による異常タンパク質の分解とその制御機構の解明
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10J09119
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 俊弥 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ユビキチン / Rsp5 / パーミアーゼ / 異常タンパク質 / タンパク質分解 / エンドサイトーシス / ストレス |
Research Abstract |
出芽酵母において高濃度エタノール添加後にGap1がエンドサイトーシスを起こす現象をこれまでに見出した。エタノールをストレスとしてセンサーで感知しているのか、Gap1のアンフォールディングそのものを認識しているのか、この現象の引き金を明らかにすべく、Gap1温度感受性変異体の取得を目指した。もし、変性を認識するのであれば、高温時にアンフォールディングしたGap1をRsp5がユビキチン化し、エンドサイトーシスを起こすと考えられた。このスクリrニングでは、高温でGap1が変性した場合のみ生育するように、プロリン毒性アナログ培地によるポジティブセレクションを行ったが、残念ながら、本年度での取得には至らなかった。 一方、Rsp5のリン酸化については、これまで用いていた抗リン酸化Rsp5血清によるリン酸化Rsp5の検出感度を上げるため、抗体のアフィニティー精製を行った。その結果、リン酸化Rsp5の検出感度が大幅に増加したが、資化しにくい窒素源を用いて培養した場合、リン酸化されないはずのRsp5ミュータント(T357A-Rsp5)でもバンドが検出された。このことから、おそらく予想していたThr357以外にも、Rsp5内に保存された同様のドメイン内のThrがリン酸化されているのではないかと考えられた。 Gap1認識を仲介するアダプターであるBul1/2とT357A-Rsp5の結合を共免疫沈降法で検出した。T357Aのミュータントではアダプターとの結合能が上がると予想しており、Bul2に関してはその傾向が見られた。しかし、強制発現プロモーターを用いているにも関わらず、BUl1/2の発現量が一定にはならず、特に357A-Rsp5発現株においては、野生株よりも発現量が低かった。これらのことから、当初考えていた単純では描ききれないファクターが残されていると考えられる。 Rsp5のリン酸化に関わるキナーゼ・フォスファターゼを当初の予定通りスクリーニングした。その中からフォスファターゼの候補としてSit4が見出された。
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