2011 Fiscal Year Annual Research Report
民主化と文民官僚 : タイ・フィリピンの比較を中心として
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10J09474
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 朋子 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 民主化の定着 / タイ / 選挙制度改革 |
Research Abstract |
本年は昨年に引き続き、タイにおける現地調査及び、法制定過程における一次資料、及び同過程においてなされた議論の動向を調査し、博士論文の中核たる実証部分に関するエヴィデンスを揃えることができた。三月には、タイの民主化において重要な要素を占める国外圧力の代表格であるIMFのアーカイブを調査し議論を支える証拠を収集すると同時に、博士論文の理論部分の構築についてニューヨーク大学のファカルティと相談する機会を得た。定期的に、指導教員の指導を受けながら、論文執筆の準備を進めている最中である。 昨年度に対し、本年度殊に力を入れたのは、次の二点である。第一が、タイの先行研究、及び二次文献を中心に収集、読み深めていたのに対し、今年度は一次資料(選挙データ、及び選挙管理委員会の報告書、改正法令)を収集、及び読み込むことに重点を置いた。これにより、実証部分の具体的な論的根拠となる資料の大枠を押さえることができたと感じている。第二が、年度の後半から力を入れてきた、タイの地域研究にとらわれずより比較的な視座で、博士論文がどのような理論的貢献、理論修正を行うことができるかという点について検討を深めたことである。 2012年9月からJASSO留学生交流支援制度(長期派遣)により留学する予定のNew York Universityは経済学的理論を用いた研究で著名な大学である。東京大学の指導教員の指導に沿いながら、本大学教員に博士論文の理論部分を中心にアドバイスをもらうことで、博士論文を提出したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学院博士課程2年目から3年目で予定していたフィールド調査は概ね終えることができたので、博士論文の実証部分のエヴィデンスがおおかた整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実証研究をもとに、本年9月からJASSOの長期派遣の給付奨学金制度を利用して、New York Universityで理論研究を中心に学び、博士論文の理論部分を書き上げる予定である。実証部分を論理的に、かつ比較可能な議論としてまとめあげられるような理論を形成することで、博士論文の射的範囲を広げると共に、理論的に洗練した研究にしていきたい。
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