2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞表面を模倣した有機ナノスフィアの開発と糖鎖機能解明
Project/Area Number |
10J09501
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
舘野 佑介 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ナノスフィア / オリゴシアル酸 / ヘパラン硫酸 / 細胞表面 / 探索研究 / 糖鎖-蛋白質間相互作用 / 非特異的吸着 / バイオイメージング研究 |
Research Abstract |
本研究では、オリゴシアル酸、ヘパラン硫酸の機能解明、標的蛋白質の探索を目指し、精密に表面制御された生体適合性有機ナノスフィアの開発を行い、探索研究の新たな方法論の開拓を目的としている。 一般的に、糖鎖-蛋白質間の相互作用は非常に弱く、解析が困難であることが多い。実際に糖鎖が機能を発現している細胞表面上では、糖鎖が適当な密度で存在し、それらが多価で蛋白質と相互作用している。そこで、このような細胞表面を模倣し、糖鎖を適切な密度で固定化できるプラットフォームとして、生体適合性有機ナノスフィアの開発を行うこととした。具体的には細胞表面を参考に、(1)糖鎖を固定化するための反応点を適切な密度で有し、(2)非特異的吸着がない、有機ナノスフィアを設計した。ナノスフィアの合成の合成を行う重合法、モノマーの設計、割合を詳細に検討することで、目的のナノスフィアを合成することを目指す。 まず、フェノキシアレンモノマーとアジド基を有するアレンモノマーを合成した(研究計画1-1)。それらのモノマーを共重合することでアジド基を有すナノスフィアの合成に成功した(同1-2)。SEM測定を行ったところ本ビーズは球状になってあり、その粒径は1umほどであることがわかった(同1-3)。 (1)またアジド基の量を定量的に測定したところ0.085mol/gのアジド基が存在していることがわかった。 (2)なお、本ナノスフィアには非特異的な吸着が少ない事も確認している(同2-1)。 今後このナノスフィアを用い、探索研究の新たな方法論の開拓を行えると考えている。その一端として、シアル酸、ヘパラン硫酸の標的蛋白質を明らかとし、バイオイメージング研究へと展開する(2年目の研究計画)。
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Research Products
(2 results)