2010 Fiscal Year Annual Research Report
漢字による表現としての『古事記』の叙述の方法について
Project/Area Number |
10J09874
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬場 小百合 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 国文学 / 上代文学 / 古事記 / 日本書紀 / 歌 / 木簡 |
Research Abstract |
1、『古事記』研究 筆者の研究が具体化されるのは、『古事記』のテキスト解釈となるが、これについては、今年度に論文を一本、そして発表を一つ、公にすることができた。まず論文は「「貢進」された建御雷神-地上に現れた神による葦原中国の平定」(『国語と国文学』第87巻第8号、平成22年8月)である。さらに科学研究プロジェクト「東アジア古典学としての上代文学の構築」研究会(於京都大学、平成22年1月22日)において、「『古事記』豊玉毘売と火遠理命の贈答歌について」という題目で発表を行った。漢字で書かれた『古事記』という視点から物語理解を見直し、『古事記』の物語叙述における歌と散文の関係にまで論を展開させたものであり、本研究において意義のあるものと考える。 2、古代の漢字文化圏への理解 さらに筆者は、シンポジウム等への参加、実地調査に加わることで、古代の漢字文化圏全体への見通しを持つことができた、まず、平成22年8月28日~29日において、奈良女子大学古代学学術研究センター若手研究者支援研究プログラム「萬葉集原本への道」に参加した。ここでは、現在進行形で発見・調査が進みつつある木簡資料研究の最前線に触れることができた。さらに、平成22年10月2日~5日には科学研究プロジェクト「東アジア古典学としての上代文学の構築」による韓国百済遺跡での実地調査に同行した。韓国木簡は近年急速にその発掘調査が進んでおり、古代東アジア漢字文化圏の全体像を知る上で欠かせない資料となっている。筆者はプヨ国立博物館や、実際の発掘調査地におもむき、調査に第一線で関わっている韓国の研究者の話を聴く機会を得た。以上が主な研究実施状況となる。
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Research Products
(2 results)