2010 Fiscal Year Annual Research Report
近世・近代移行期のインド洋海域における国家・外交・通商:ブー・サイード朝を中心に
Project/Area Number |
10J09938
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片倉 鎮郎 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | インド洋 / 港市 / 近代移行期 / 文書館 / 海域史 / インド:タンザニア |
Research Abstract |
本年度は次年度以降の研究のための基礎づくりに努めた。具体的な補助金の使途は、インド洋海域および近代移行期に関連した研究文献の収集・整理のほか、現地調査、とりわけ文書館における資料の所蔵状況の調査およびその一部収集である。9月から10月にかけては、インド共和国マハーラーシュトラ州立文書館(ムンバイ)にてイギリス東インド会社の関係文書の所蔵状況を調査した。そして11月には、従前の研究成果にインド調査で得られた情報の若干を加え、日本オリエント学会において口頭発表を行い、2011年1月には科学研究費補助金(基盤研究S)「ユーラシアの近代と新しい世界史叙述」主催「「モノ」から見る世界史研究会」にて報告を行った。次いで2月から3月にかけてはタンザニア連合共和国に出張し、ザンジバル国立文書館における所蔵資料調査及びデジタルカメラによる写真撮影を行ったほか、ザンジバル・インド洋研究所を訪問し、スワヒリ史の権威である所長アブドゥル・シェリフ教授の知遇を得て、同研究所所蔵資料を閲覧・複写し、持ち帰るとともに、今後の中・長期のための基礎を築くことができた。本年度の調査対象、とりわけタンザニアのザンジバル国立文書館およびザンジバル・インド洋研究所については、わが国の研究者による利用は珍しく、その概要もあまり知られていない。そのため、出張成果を社会に還元するひとつの方法として、NIHUプログラム「イスラーム地域研究」東洋文庫拠点の依頼により、同拠点ウェブサイト内「イスラーム地域資料館・研究機関ガイド」に紹介記事を執筆した。
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Research Products
(1 results)