2010 Fiscal Year Annual Research Report
癌の多様な表現型を司る遺伝子ネットワークを予測するデータ統合型情報解析手法の開発
Project/Area Number |
10J10037
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井田 厚司 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | バイオインフォマティクス / がん / トランスクリプトーム解析 / システム / 転写制御ネットワーク |
Research Abstract |
平成22年度は以下の2つの成果を得た。 1)これまでに開発していた教師無し学習遺伝子セット探索法、EEM法を拡張し、BEEM法及びMIEA法を開発した。BEEM法はバイクラスタリング法を用いることにより、与えられた遺伝子セットがサンプルサブグループに特異的に発現上昇、又は発現低下するようなサブセットを含かどうかについて検定する。一方、MIEA法は特異値分解を利用して、与えられた遺伝子セットの発現プロファイルがノンランダムなパターンを持つかどうかを検定する。さらに、様々なシミュレーションデータ及び実際の生物学的実験データを用いたベンチマークテストを行うことにより、EEM,BEEM,MIEAを含む各種教師無し学習遺伝子セット探索法の性能、特性を明らかにした。これらの結果は教師無し学習遺伝子セット探索法の方法論的な礎となるべき研究であり、今後、この結果に基づいて生物学的応用を目指す。 2)共同研究者から提供された大腸がんCGHアレイデータ及び発現マイクロアレイデータを用いて大腸がんゲノムにおいて高頻度に増幅しているMyc遺伝子座位のコピー数プロファイル、Myc遺伝子の発現量、EEM法により抽出された発現モジュールの活性ブロファイルが互いに相関することを示した。この結果によりEEM法により抽出されたモジュールの上流にあるドライバー遺伝子をCGHアレイデータから探索出来る可能性が示された。23年度からはこの結果に基づき包括的ドライバー遺伝子探索法の確立を試みる。
|