2010 Fiscal Year Annual Research Report
数を制御した複数のヒト細胞質ダイニン分子の運動解析
Project/Area Number |
10J10101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴田 桂太朗 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞質ダイニン / 細胞内輸送 / 生物物理学 |
Research Abstract |
本研究では、細胞質ダイニン分子の数を正確に制御した複合体を作製し、連続的に運動できるようになるかどうか、運動解析をおこなう。一分子では連続的に運動できない細胞質ダイニンは、細胞内輸送を行うに十分な連続的な運動性を、どのようにして獲得しているのか解明することを目的とする。ホモダイマーであるダイニン分子をつなだ複合体を作るため、連結に用いるDNA結合用のタグを、一つずつ融合したダイニンを作製する必要がある。そのため、二種類のタグを一つずつ持ったヘテロなIC74を発現する安定発現細胞株を作製した。IC74はダイニン複合体を形成するサブユニットの一つで、変異を入れにくいダイニンに比べてタグなどを融合させやすく、ダイニンと強く結合しているホモダイマーである。発現用の株にはヒト胎児由来腎臓細胞(HEK細胞)を用いた。ヘテロIC74が結合した細胞質ダイニンを精製するため、二種類のタグを用いた二段階アフィニティー精製を行い、目的タンパク質の精製に成功した。また最終サンプルの収量を上げるために精製法を改良し、サンプルの収量増加に成功した。ただし今後の実験の効率を上げるために、さらなる収量の改善が必要であり、精製法のさらなる工夫と、新たなコンストラクトを作製中である。上記のように精製したダイニンを連結するためのリンカーDNAの設計・精製を行った。これまでのところ効率よくダイニン分子を連結するに至っておらず、リンカーDNAの改良を試みている。
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