2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J10287
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
江畑 冬生 東京外国語大学, アジアアフリカ言語文化研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | サハ語 / ヤクート語 / 名詞句 / 形態論 / 品詞分類 / 統語的派生 |
Research Abstract |
北東シベリアにおいて話されるチュルク系言語であるサハ語の名詞および名詞句について,形態統語的・語用論的観点からの研究を行った,平成22年度の前半には,サハ語における名詞類とその統語機能との関係にかんするデータ・用例を集め,整理を行った,本研究では,ある語彙素が複数の統語機能を有することをむしろ積極的に認める立場に立ち,従来の研究における名詞・形容詞・副詞を,記述言語学的な立場から8つのグループに分類する説を考案した.この分類の妥当性は,2010年6月から7月にかけロシア連邦サハ共和国ヤクーツク市にて行った現地調査にて裏付けるとともに,データのさらなる拡充を図った.平成22年度の後半には,サハ語形態論を接辞法の面から全面的に見直す過程でサハ語の派生に2つのタイプが存在することを発見し,すでにこの分野において卓越した研究を行ったVinokurovaの著作を踏まえつつ,統語的派生と脱範疇化の関係について新たな分析を行った.本年度の研究成果は,第140回日本言語学会および第15回国際チュルク言語学会議における口頭発表として発表を行った.
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