2011 Fiscal Year Annual Research Report
ニュージーランドの学校組織マネジメントに関する実証的研究
Project/Area Number |
10J10400
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
高橋 望 名城大学, 学校づくり研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | PMS / Professional Standards / 目標管理 / 組織マネジメント / ニュージーランド |
Research Abstract |
本研究の目的は、ニュージーランドで展開される業務・業績管理システム(Performance Management Systems:PMS)、及び学校管理職の養成・研修制度に着目し、両者が各学校でどのように受容され、いかに学校組織マネジメントの向上に貢献しているのかを明らかにすることである。本研究の2年目にあたる本年度においては、昨年度と同様にPMSに焦点をあて、PMSの実際について明らかにすることを課題とした。 昨年度までの研究により、PMSは各学校の独自性が反映されていること、教員の人事管理的な要素と職能開発的な要素の両面をPMSのもとに組み込んで展開していること、近年職能開発的な部分により重点を置いていることを明らかにした。本年度はそうした実態を理論的に検討し、PMSの特質と構造の解明を試みた。 結果、評価の判断基準として、2つの基準が採用されていることが見出された。1つはProfessional Standardsであり、教員に求められる資質・能力を教員経験ごとに示したものである。もう1つは同国で導入されている教員登録の際に用いられる基準(Satisfactory Teacher Dimensions:STD)である。管理職は、Professional Standardsに照らした評価を実施することで教員の定期昇給の可否を判断し、同時にSTDに照らした評価を行うことで教員登録の可否を判断していた。一方、Professional Standardsは教員に求められる資質・能力を示したものであるため、各教員はProfessional Standardsを参照しながら、自らの行動目標・計画を立てることが求められていた。そこでは目標管理手法が採用されており、自ら作成した目標・計画を遂行することで、全体として職能開発が指向されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、PMSと学校管理職養成・研修制度の両面から学校の組織マネジメントの展開について検討を行うものであるが、東日本大震災の影響からしばらく研究ができない期間が生じたため、学校管理職に関する分析を十分に行うことができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
PMSに関する分析はある程度完了していると考えられる。今後はその分析を継続することで精緻化を図る。一方で、学校管理職の養成・研修制度の分析に重点を置き、その実態や特質、構造の解明に努める。そして、両者に関する一定の知見が明らかになったうえで、いかに両者が学校の組織マネジメント能力の向上に貢献しているのか、検討を行う。
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Research Products
(3 results)