2010 Fiscal Year Annual Research Report
選択的オートファジーに必要なp62と新規小胞体膜因子による異常膜蛋白質分解機構
Project/Area Number |
10J10589
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
山本 洋平 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 構造異常蛋白質 / DnaJ蛋白質 / Hsp70/Hsc70 / プロテアソーム |
Research Abstract |
細胞内ではフォールディングに失敗した異常蛋白質がしばしば生じる。細胞はこのような異常蛋白質を認識して修復または分解・無毒化することによって恒常性を維持している。構造異常蛋白質がサイトゾルで生成した場合にその分解には、1)プロテアソーム系と2)オートファジー系が働く。一方、分泌蛋白質や膜蛋白質の輸送の起点になっている小胞体の内腔側で構造異常蛋白質が生じると、当該蛋白質は小胞体からサイトゾルへと逆行輸送された後、上記の二つの系によって分解されることが明らかになりつつある。しかし、動物細胞小胞体膜蛋白質の構造に異常が生じた場合に、これを認識し分解する仕組みはほとんど不明である。DNAJB12は小胞体膜に局在する新規のDnaJ蛋白質(Hsp70/Hsc70の働きを制御する)である。申請者が行ってきた研究からDNAJB12は動物細胞小胞体の構造異常膜蛋白質の分解において鍵となる役割を果たしていることが分かった。DNAJB12の具体的な役割を解析することにより、その分解過程の詳細を明らかにする。 これまでの研究により小胞体膜に局在する新規のDnaJ蛋白質であるDNAJB12が小胞体に生じた構造異常膜蛋白質をプロテアソーム系によって分解促進することが明らかになった。その際、DNAJB12は小胞体内腔に存在する構造異常分泌蛋白質の分解には寄与しないことも明らかになった。これらの研究成果をまとめ学会誌に投稿した(YH Yamamoto et al.Cell Struct Funct 35,107-116(2010))。
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