2012 Fiscal Year Annual Research Report
メタンサイクルを活性化した温室効果ガス削減対応新規排水処理システムの開発
Project/Area Number |
10J10792
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浦 哲久 広島大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 温室効果ガス / メタン / 亜酸化窒素 / メタン脱窒 / メタン酸化 / 多様性 / DHS |
Research Abstract |
嫌気性排水処理プロセスから発生する溶存メタンは,バイオガス中のメタン分圧に依存して処理水中に溶存しており,回収等の処理を施される事無く大気へ放散している.本研究では,嫌気性処理リアクターから発生する溶存メタンを大気放散防止する為に溶存メタン回収や分解の技術を確立し,処理メカニズムの解明を行う事を目的とした. これまでメタン削減型のバイオリアクターの開発を行うと共に,2種類に大別されるメタン酸化細菌(Type I, Type II)のコミュニティ解析を行なってきた.そのコミュニティ解析において,既往の知見と比較すると異なるコミュニティに構成されていた.そこで本年度は,メタン酸化細菌をメタン・酸素・pHについてそれぞれ異なる環境条件で培養し,2種類のメタン酸化細菌の棲み分けを決定づける因子について基礎的な知見を得ることを目的とした.その結果,Type IとType IIに属するメタン酸化細菌の棲み分けは,pHによる影響が大きい事が明らかとなった. また,溶存メタンを利用した亜酸化窒素の脱窒についての検討を行った.昨年度の研究結果から,酸素の混入,流入濃度が不安定であるといった問題点が浮上した.そこで本年度は,本年度は,大気からの酸素混入を防ぐためにリアクターを2台直列に設置し1台目で酸素除去を行い,2台目が嫌気的環境になるようにした.安定した基質供給と流入負荷を上げるためにメタンと亜酸化窒素をガス態として供給し嫌気処理を行なったところ,メタンと亜酸化窒素の同時分解が確認された.
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