2010 Fiscal Year Annual Research Report
近代中国の貞節観の変容――1910年代~20年代の節婦烈女を中心に
Project/Area Number |
10J40051
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
村上 瑞代 (須藤 瑞代) 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 東洋史 / ジェンダー / 女性史 / 中国 |
Research Abstract |
本研究は、近代中国における貞節観に着目し、1910年代~20年代の節婦烈女について考察する。 平成22年度は、主として1910~20年代に「節婦烈女」として称賛された女性たちのデータ整理、および史料収集、学会・研究会報告を行った。 1.データの整理:『政府公報』に掲載されている節婦烈女の数、年齢、地域別の分布、守節年数(節婦)、自殺方法(烈女)などのデータベースを作成した。現在までに、1915~1924年までのデータについては全項目入力が終わり、1925~1928年については、節婦・烈女それぞれの総数まで調査が終了した。これにより、次のことが明らかとなった。第一に、1914年から1928年までに7021人の節婦烈女が褒揚条例に基づいて褒揚された。年平均約500人であり、清代の1644~1850年は年に平均1052人であったことと比較すると、半減しているとはいえ一定程度の規模をもって節婦烈女の表彰が行われていた。第二に、特に節婦烈女が多い地域は、安徽省・直隷省・山東省などで、これらは清代においても節婦烈女を輩出した地域と一致しており、当該地域においては女性の貞操を重視する風潮が強いことが推測される。 2.史料収集:図書館等での調査と並行して、中国で復刊された『中国新女界』『新女性』等重要な女性向け雑誌を購入し、重要記事を調査中である。 3.学会報告・研究会報告:本研究の概要について、2010年5月29日に中国女性史研究会で、6月20日にThe Asian Studies Conference Japan (ASCJ)において報告を行った。
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Research Products
(3 results)