2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J40128
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
白井 千晶 早稲田大学, 文学学術院, 特別研究員(RPD)
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Keywords | リプロダクション / 出産 / 不妊 / ライフヒストリー / 助産師 / ライフコース |
Research Abstract |
本研究の目的は、近代日本におけるリプロダクションの歴史的変動の全体像とメカニズムを明らかにすることである。リプロダクション、とくに妊娠・出産・子育てを女性の人生経験という観点から捉えるために、ライフヒストリー・データの収集を集中的におこなう。 今年度は、(1)高齢開業助産師へのインタビュー調査、(2)不妊当事者へのインタビュー調査、(3)養子縁組や里親制度によって親になり、非血縁家族を形成した者へのインタビュー調査、(4)養子縁組を紹介するエージェンシーへのヒアリング、(5)不妊当事者への質問紙による量的調査、を実施した。 (1)は、各地の60歳代~90歳代の開業助産師にインタビュー調査を実施した。地域において助産師が女性の妊娠・出産・育児に継続的に関わってきたこと、また彼女たちが「育てたいけれど産めない」「産んだが育てられない」女性たちにも深く関わってきたことが確かめられた。地域の産育習俗、昭和期の助産技能についても聞き取りを集めた。 (2)は、不妊治療中の者、治療をやめた者、不妊治療をおこなわなかった者、さまざまな女性(およびパートナー)の経験と意識を伺った。昨今、卵子提供、代理出産など第三者が関わる生殖技術や、生殖ツーリズムに対する関心が高まっている。本調査では卵子提供経験者、斡旋エージェンシー、精子提供によって生まれた人にもインタビューした。 (3)は、養子縁組や里親制度によって親になった者へのインタビューである。同時に、(4)これに関わるエージェンシーとして養子縁組の紹介・斡旋に関わる団体・個人、行政(省庁・課・児童相談所等関係機関)へのヒアリングを実施した。 (5)として、不妊当事者に調査票による自記式調査を実施した。2003年・2004年調査に協力した者へのフォローアップおよび不妊治療実施医療機関や本研究者からの新規配布による。本調査の集計結果の公表は2011年度におこなう。
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Research Products
(3 results)