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2011 Fiscal Year Annual Research Report

白血病幹細胞におけるNF-κBシグナル経路活性についての研究

Research Project

Project/Area Number 10J56152
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

籠谷 勇紀  東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC1)

KeywordsNF-κB / 急性骨髄性白血病 / 白血病幹細胞 / TNF-α / proteasome
Research Abstract

本研究の目的は急性骨髄性白血病(AML)発症とNF-κB経路活性化との関連を明らかにし、特に白血病幹細胞(LSC)における同経路の活性を調べ、NF-κB経路活性阻害が韻L発症抑制・治療に与える効果を検証することである。研究手法として、様々な特異的な遺伝子異常をレトロウイルスによりマウス骨髄細胞に導入して同細胞を移植することで、AMLモデルマウスを作製し、これを用いてLSCにおけるNF-κBの活性の解析を行っている。昨年度までにMLL-ENL導入マウスモデルにおけるNF-κBの核内移行の亢進を確認しているが、これに加えて、MOZ-TIF2、BCR-ABL+Nup98-HoxA9をそれぞれ導入した2つの白血病モデルにおいても同様のデータを得た。
その後、NF-κBの活性を白血病細胞において特異的に抑制した際の効果を見るため、dominant-negativeに働くIκBα変異体をこれら白血病細胞に導入した。コロニー形成能の低下に加え、移植実験を行うことでin vivoにおいても白血病進行が著しく停滞することを上記3種類の白血病モデルにおいて示した。また正常造血幹細胞に同変異体を導入してもコロニー形成能に変化を認めなかった。NF-κB経路の遮断が白血病細胞特異的に、とりわけ白血病幹細胞に有効であることをin vivoで示し、新規治療法の確立に向けて意義のある知見を得た。さらに、NF-κBシグナル亢進の機序として主要な刺激因子として知られているTNF-αに着目し、マウスモデルの白血病骨髄中のTNF-α濃度が正常骨髄と比べて亢進していること、白血病幹細胞自身がTNF-α分泌能を持っており、autocrine作用によりNF-κB経路の恒常的活性を維持していることを示した。従来腫瘍細胞のアポトーシスに働くとされるTNF-αがNF-κBシグナルとの関連から白血病細胞の増殖に関わっているという新たな知見を得られ、今後の新規治療の開発に有用であると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

正常幹細胞との比較における白血病幹細胞におけるNF-κBの活性亢進、その遮断による増殖抑制、また上流のシグナル機構の解明まで今年度中に進められたため。

Strategy for Future Research Activity

これまでのデータで、白血病幹細胞と分化した白血病幹細胞においてNF-κBシグナル活性に顕著な違いが見られており、白血病幹細胞の維持にNF-κB活性が本質的な役割を果たしている可能性が考えられるため、この差が生じる機構を解明する。これまでに示したTNF-α分泌による活性化機構では分画ごとの違いは説明できない。よってより下流のシグナル、特にプロテアソーム活性の違いによるTNF-α反応性の差が生じるという仮説を立て、研究を進める。またこれまでに示した知見より、TNF-αの抑制により白血病治療効果があるかどうかを、in vivoモデルにおいて示すことも目指す。

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Published: 2013-06-26  

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