1999 Fiscal Year Annual Research Report
上皮細胞における細胞接着を介した生存性シグナルの解析
Project/Area Number |
11139271
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
橋本 茂 財団法人 大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究員 (50311303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真崎 雄一 財団法人 大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究員 (60311304)
佐邊 壽孝 財団法人 大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究部長 (40187282)
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Keywords | パキシリン / 細胞接着 / インテグリン / ARF GAP / 細胞運動 |
Research Abstract |
上皮系細胞の生存性維持には増殖因子やサイトカインの刺激に加えて細胞接着シグナルが必要である。本研究では、インテグリン接着を介するシグナル伝達の機能的制御機構についてインテグリン裏打ちタンパク質パキシリンに着目した解析を進めている。今年度は、インテグリン接着点へのパキシリンの集積機構について解析を進めた。これまでに、パキシリンには核周辺領域に細胞質プールが存在し、運動中に細胞前方に能動的に集積させる機構が存在することを示唆させる結果を得ていた。この集積機構に関わる分子を解析するために、パキシリンに結合する分子群を同定し、想定される機能を持つ分子の検索を行った。その結果、ARF GAPモチーフを持つ一群のタンパク質を見い出した。その中の一つであるPAG3(Paxillin-associated ARF GAP protein 3)は、マクロファージ様に分化したU937細胞のcDNAからパキシリンをプローブとしたファーウエスタン法により見い出した。PAG3は、未分化の単球では細胞質に存在しているが、単球が接着性を獲得すると発現が亢進し、細胞辺縁部へ局在し、パキシリンと共局在することが観察された。また、PAG3のARF GAP活性がパキシリンの接着点への局在に重要な役割を果たしていること、分化した単球細胞の運動性の制御に関わっていることを示唆させる結果を得た。従って、パキシリンの細胞内局在は、単なる自由拡散ではなくARFの活性が関与する制御機構によって規定されていることが示された。また、ヒトの粥状動脈硬化病変においてマクロファージの特徴を示す泡沫化細胞にPAG3が強く発現していることを観察した。PAG3が病変の進展と関連した機能を有する可能性が示唆される。さらに、パキシリン及びその結合タンパク質がアクチン細胞骨格を制御する分子群と相互作用することを見い出した。細胞接着シグナルによる細胞骨格再構築の時間的/空間的制御機構に重点を置いた解析を開始している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Mazaki: "Paxillin isoforms in mice : lack of the γ isoform, and developmentally specific b isoform expression"J. Biol. Chem.. 273. 22435-22441 (1998)
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[Publications] A.Kondo: "A new paxillin-binding protein, PAG3/Papα/KIAA0400, bearing an Arf GTPase-activating protein activity is involved in paxillin recruitment to focal adhesions and cell migration"Mol. Biol. Cell. (in press).