1999 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫の増殖機構をターゲットとする新規マラリア治療薬の開発研究
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11147213
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 信孝 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60109014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大高 章 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (20201973)
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Keywords | マラリア / Plasmodium falciparum / Plasmepsin II / aza-Payne転位反応 / ChondroitinsulfateA / Duffy-結合様ドメイン / マラリアワクチン / 基質遷移状態模倣型酵素阻害剤 |
Research Abstract |
(1)マラリア原虫、Plasmodium falciparum、の赤血球ステージの栄養に必須のヘモグロビン消化酵素PlasmepsinIIを標的とする抗マラリア剤に焦点を当てて,独自に開発した"aza-Payne転位反応"を応用した基質遷移状態模倣型酵素阻害剤合成研究を行った。 (2)マラリア流行地域において数回の妊娠により獲得される保護抗体が世界の異なる各地域から分離される原虫のCSA結合能を阻害することに着目して、Plasmodium falciparum感染赤血球上に発現されている膜タンパク中のCSA-結合ドメインを同定することを目的として研究を行った。固相ペプチド合成法を応用してbiotin標識したChondroitinsulfateA及びCを合成し、これをプローブとしてCSA-結合性感染赤血球中(PRBC)に発現されているvar-geneをクローニンゲした。その結果、得られたvar-geneは8個の受容体様モチーフを有することを明らかにした。また、*受容体様モチーフをCHO-細胞表面に発現させることによりCSAとの結合能を評価し、biotin標識CSAを用いることにより2個のDuffy-結合様ドメイン(DBL-3及びDBL-7)がCSAと結合することを明確にした。このうちDBL-7はbiotin標識chondroitin sulfatc C(CSC)とも非特異的結合したが、DBL-3はCSCとは結合せず、DBL-3がCSAとの特異的な結合に関与していることが明らかとなった。すなわち、DBL-3ドメインのみがP.f.感染赤血球と同様な結合特異性を示すことを明らかにした。 今回同定した、DBL-3ドメインは妊婦やその胎児を守るための保護免疫を誘起するワクチン候補として有用であると判断する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A. Otaka et al.: "New strategy for the Synthesis of Aspartyl Proteaze Inhibitor Based on Aza-Payne Rearrangement"Peptide Science. 1999. 193-194 (2000)
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[Publications] P. Buffer, et al.: "Plasmodium Falciparum Domain Mediating Λ dhesion to Chondroitin Sulfate Λ : Λ Receptor for Human Placcntal Infcction"Proc. Natl. Acad. Sci., USA. 96. 12743-12748 (1999)
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[Publications] H. Ohno, et al.: "Sterically Congested Chiral Activated Aziridines : Synthesis of Both 2, 3-Cis and 2, 3-Trans-2-Alkenyl-3-alkylaziridines from Common Intermediates"Tetrahedron Lett.. 40. 1331-1334 (1999)