2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11166259
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
薮下 聡 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50210315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 道彦 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (40276415)
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Keywords | 相対性理論 / 相対論的効果 / スピン軌道相互作用 / SOCI法 / コリオリ相互作用 / ヘルツベルグ吸収帯 / 非断熱過程 / 微細構造準位 |
Research Abstract |
1 ユニタリー群の方法を用いて、スピン軌道(SO)相互作用を含む配置間相互作用(CI)法の計算に必要となる、U(2n)群の生成演算子の表現行列要素を簡単に導き出す方法を開発し、さらにその表式をを効率よく計算するプログラムを完成させた。 2 このSOCIプログラムに、コリオリ相互作用を計算するためのモジュールを追加し、酸素分子や塩素分子などの2原子分子に応用した。 3 HCI分子の光解離実験を解析するために、その励起状態をSOCI法で計算し、その解離過程の動力学を半古典的モデルで解析した。その非断熱過程は、塩素分子と同様に、Rosen-Zener-Demkov型であり、また異方性パラメータの波長依存性を正確に表現するためには、コリオリ相互作用を考慮しなければならないことが分った。 4 オゾン層生成の鍵をになう酸素分子のヘルツベルグ吸収帯における振動・回転スペクトルの吸収強度を、SOCI法による電気的遷移モーメントおよび軌道角運動量の行列要素を使って、intensity borrowing機構により求めた。その結果、非常に弱い吸収で定量的なシミュレーションが困難であるにもかかわらず、かなり良好な結果を得ることが出来た。生成物の異方性パラメータについては、垂直成分に比べ並行成分がやや支配的であるとのParkerらの実験結果を支持する結果を得た。生成物の各SO準位への分岐比については、分子間距離の長い領域で多準位多段階の非断熱遷移が寄与していることが分った。 5 分子の電子共鳴状態の計算のために、複素座標法のプログラムを開発している。基底関数の複素数軌道指数を最適化するために、Newton-Raphson法を用い、かなり良好な結果を得た。 6 Ndとシクロオクタテトラエンのサンドイッチ錯体、およびVとベンゼンの負イオン錯体のイオン化エネルギーを理論的に評価し、実験データの解析に用いた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Asano: "Theoretical study on the nonadiabatic transitions in the photodissociation processes of Cl_2"Journal of Physical Chemistry, A. 105・43. 9873-9882 (2001)
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[Publications] M.Sugawara: "Coherent control of wavepacket dynamics by locally designed external field"Chemical Pysics Letters. 350. 253-259 (2001)
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[Publications] K.Takahashi: "Theoretical analysis of the CH stretching overtone vibration of 1,2-dichloroethylene"Journal of Physical Chemistry, A. (印刷中). (2002)
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[Publications] T.Ikeno: "Theoretical analysis of the reaction pathway and the effect of the axial ligand for the 3-oxobutylideneaminatecobalt(II) complex catalyzed cyclopropanation"Organic Letters. 4・4. 517-520 (2002)
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[Publications] Y.Ohtsuki: "Quantum Control of Chemical Reaction Dynamics"Bull.Chem.Soc.Jpn.. 74. 1167-1191 (2001)
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[Publications] M.Sugawara: "Numerical solution of the Schrodinger equation by neural network and genetic algorithm"Comput.Phys.Commun. 140. 366-380 (2001)