1999 Fiscal Year Annual Research Report
電子顕微鏡像3次元再構築法による大脳皮質の微細局所神経回路の形態的研究
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11170257
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
窪田 芳之 理化学研究所, 運動回路網研究チーム, フロンティア研究員 (90192567)
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Keywords | Cortex / GABA / Double bouquet cell / non-pyramidal cell / synapse / spine / 3D recoustruction / interneuron |
Research Abstract |
本研究では、生理的形態的に同定された大脳前頭皮質の非錐体細胞の各タイプに関して、電子顕微鏡3次元再構築画像解析システムで、その立体像を作成し解析する。本年度は、ダブルブーケ細胞にしぼり、その終末が形成するシナプスの形態面での特性を検討した。 ラットを実験動物に用い、前頭皮質のスライスを作成し、非錐体細胞と思われる神経細胞を選び、ホールセル記録をとり、バイオサイチンを電極を通じてその神経細胞に注入した後、スライスを固定した。次に、ABC液で反応した後にDAB染色を施し注入神経細胞を茶色く染色し、電子顕微鏡解析用にエポンで包埋した。こうして注入記録した細胞のうち、ダブルブーケ細胞様の形を呈する神経細胞の軸索部分を電子顕微鏡で観察した。連続超薄切片上で後シナプス樹状突起(棘突起)を追い、連続画像を電子顕微鏡に装備した高解像度CCDカメラでワークステーションに入力し、3次元再構築画像解析ソフトで前・後シナプス要素の3次元像を再構築することで形態的に解析した。 その結果、ターゲットは主に錘体細胞の樹状突起であることがわかった。観察した神経終末9個のうち、3つは棘突起に、1つはautapse、残りの5つはシャフトにシナプスを形成していた。また、シナプス部分とターゲットの樹状突起の大きさに強い正の相関が認められた(傾き=0.093μm)。これは、ダブルブーケ細胞が、ターゲットの神経細胞に対して、効率的で強い抑制作用を持っている可能性を形態的に示唆すものと考えている。今後、さらに観察する数を増やし、より詳細なデータを提供する所存である。
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[Publications] Kubota Y, Kawaguchi Y: "Dependence of GABAergic synaptic areas on the interneurons type and target size"Journal of Neuroscience. 20. 375-386 (2000)
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[Publications] Waldvogel HJ, Kubota Y 他: "Regional and cellular localisation of GABAA receptor subunits in the human basal ganglia : An autoradiographic and immunohistochemical study"Journal of Comparative Neurology. 415. 313-340 (1999)