2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11177101
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
鶴尾 隆 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (00012667)
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Keywords | 癌 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
平成12年より進められてきた「特定領域研究がん」の主要な成果を「がん研究のいま」シリーズとして、「発がんの分子機構と防御」「がん細胞の生物学」「がんの診断と治療」「がんの疫学」の4冊にまとめた本を刊行した。内容は、がん特定にかかわった第一線の研究者による、各々の研究成果に立脚したがん研究の指針の情報を、そのバックグラウンドも含め、分かりやすい教科書的な総説にまとめたもので、次代を担う学生、若い研究者などを対象としたものとした。 刊行については東京大学出版会にその業務を委託し、「発がんと発がん防御の基礎的研究」「がんの生物学的特性に関する研究」「がんの診断と治療」「がんの疫学」「がんの戦略的先端研究」の各研究領域から2名ずつを編集担当者として選び、編集代表として全体のとりまとめを鶴尾が行った. この5年間を含めて研究を振り返ると、国際的にもきわめて貢献度の大きい研究成果が数多く得られ、発がんの分子機構に関する理解が急速に進み、がんの病態も細胞内の遺伝子変異との対応でとらえられるようになってきた。現在では「がんは遺伝子の異常によって起こる病気である」という概念が確立している.がんの診断・治療に関する研究では、基礎研究の成果を活用して、分子レベルでのがん診断や分子標的療法などの開発研究が進展してきている.がんの疫学研究では、ここ数十年における日本人の生活習慣の激変によるがんの罹患率の変動状況を明らかにし、がんの予防における環境要因の重要性を示してきている.本書によってがんの研究組織が推進してきたがん研究の全体像と展望が明らかにできたものと思っている.
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Research Products
(6 results)