2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11202203
|
Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
萩原 薫 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50189461)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 純一 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (60169787)
久野 純治 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (60300670)
岡田 安弘 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20212334)
松井 隆幸 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (10165748)
栗原 良将 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50195559)
|
Keywords | LEP / OPAL / LHC / リニアコライダー / 超対称性理論 / ヒッグスボソン / CP非保存 / ダークマター |
Research Abstract |
本年度はLEP実験データの最終解析年度となり、本理論研究グループの研究の主題も、将来のコライダー実験で、新しい物理を検出する可能性の検討、そしてその検出法の考察に向けられた。 シミュレーションツールの開発に関しては、将来のリニアコライダーでのヒッグス物理の精密実験に備え、電子陽電子消滅過程での二重ヒッグス生成に対する量子電気力学による輻射補正の計算を完成した(栗原)。また、ハドロンコライダーでの多重ジェット生成の解析に強みを持つ自動イベント生成プログラム、MadEventの製作管理者、ローマ大学のF.Maltoni氏をKEKに招聘し、講演と議論をしていただいた。 将来のリニアコライダーGLCの物理に関しては、光子光子衝突モードで、光子ビームの偏極と、トップクォーク対の崩壊角度相関を調べることにより、中間状態に寄与するヒッグスボソンのCPパリティー、生成振幅の位相等が計測可能であることを示した(萩原)。 ニュートリノ質量のシーソー機構を持つ超対称性模型において、ヒッグスボソンの媒介効果により、ミューオン・電子遷移等のレプトン数非保存過程が促される可能性を指摘した(岡田)。 宇宙のダークマターが最小質量の超対称性粒子である場合、その粒子が電弱理論の荷電を持ち、質量が充分重い場合には、ダークマター対の2光子への崩壊が他の崩壊モードと拮抗する可能性があることを示した。高エネルギー宇宙線光子の観測がダークマター検出に結び付く可能性を指摘したもので、重要な発見である(野尻、久野)。 数年後に開始される陽子陽子コライダーLHCでの超対称性粒子検出実験において、もし同時期に電子陽電子リニアコライダー実験が可能であれば、理論のパラメータの決定が飛躍的に改良することを示した(野尻)。また、グルイノが主に第三世代のスクォークに崩壊する場合の、LHCでの超対称性粒子生成シグナルを検討した(野尻、久野)。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] K.Hagiwarra et al.: "PROBING THE CP NATURE OF THE HIGGS BOSONS BY T ANTI-T PRODUCTION AT PHOTON LINEAR COLLIDERS"Eur.Phys.J.C. 31. 351-364 (2003)
-
[Publications] Y.Okada et al.: "HIGGS MEDIATED MUON ELECTRON CONVERSION PROCESS IN SUPERSYMMETRIC SEESAW MODEL."Phys.Lett.B. 575. 300-308 (2003)
-
[Publications] Y.Kurihara et al.: "FULL O(ALPHA) ELECTROWEAK CORRECTIONS TO DOUBLE HIGGS STRAHLUNG AT THE LINEAR COLLIDER."Phys.Lett.B. 576. 152-164 (2003)
-
[Publications] J.Hisano, M.M.Nojiri et al.: "EXPLOSIVE DARK MATTER ANNIHILATION"Phys.Rev.Lett.. 92. 031303 (2004)
-
[Publications] J.Hisano, M.M.Nojiri, K.Kawagoe: "A DETAILED STUDY OF THE GLUINO DECAY INTO THE THIRD GENERATION SQUARKS AT THE CERN LHC."Phys.Rev.D. 68. 035007 (2003)
-
[Publications] M.M.Nojiri et al.: "SUSY PARAMETER DETERMINATION IN COMBINED ANALYSES AT LHC / LC."JHEP. 0402. 035 (2004)