1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11213203
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
甲山 隆司 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60178233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 教幸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (10261348)
東 正剛 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (90133777)
岩熊 敏夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60124335)
大崎 満 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60168903)
工藤 岳 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (30221930)
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Keywords | 苫小牧 / 現存量 / 一次生産速度 / モニタリングプロット / 分解速度 / 北方落葉広葉樹林 / 土壌呼吸 / シュート動態モデル |
Research Abstract |
本研究は,苫小牧森林生態系観測ステーションを利用して,地球変化,とりわけ大気二酸化炭素濃度上昇にともなう森林生態系の集水域レベルでの動態と変容を観測し,平衡環境系の基では捉えることのできなかった森林生態系の自律維持機構を解明し,数百年規模での森林変化を予測する機能モデルを構築することを目的としている。 本年度は,北大苫小牧演習林の河川段丘上二次林の森林生態系長期モニタリングプロット・ステーションにおいて,林木種の構造と更新・動態のモニタリング,リター分解,土壌呼吸と土壌動物の貢献,陸水微生物相の動態,そして生態系レベルでのガス交換過程の地球化学的分析を進めた。 幌内川畔二次林、勇払川畔一次林,および幌内川右岸自然林について,現存量と一次生産速度を推定した結果,現存量は110〜180t/ha,純一次生産速度は4.2〜7t/ha/yrだった。ミズナラ葉の分解は2年間で初期量の1/3程に減少し,日当り分解速度は0.0014だった。分解速度にはC/N比よりもリグニン含量が強く影響していた。 土壌動物の土壌呼吸への貢献について4年間のデータを得た。植物根や微生物の呼吸量が低下する冷温環境下では土壌動物の貢献度が20%近くに達すること,安定同位体比からみた土壌動物の栄養段階はせいぜい3〜4であり,短い食物連鎖網の中で有機物の分解が進んでいること,などがわかった。 シュートモジュール動態から樹木・林分動態を結び付けるために,パイプモデル的制約に基づいた樹形形成モデルと,三次元光分布を記述するモデルの開発を開始した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Kikuchi: "A morphological comparison of alates between monogynous and polygynous colonies of Myrmica kotokui in northernmost Japan"Insectes Sociaux. 46(3). 250-255 (1999)
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[Publications] Kohyama T.: "Functional differentiation and positive feedback enhancing plant biodiversity. In "The Biology of Biodiversity (ed. Kato, M)"Springer-Verlag Tokyo. 179-191 (1999)
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[Publications] 甲山隆司: "生物多様性の空間構造と生態系における機能(井上民二、和田栄太郎編:生物多様性とその保全、岩波講座 地球環境学5)"岩波書店、東京. 65-95 (1999)