2000 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量G蛋白が細胞膜で情報を受け取るメカニズムの可視化
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11242209
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
松田 道行 国立国際医療センター, 臨床病理研究部, 部長 (10199812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 直樹 国立国際医療センター, 臨床病理研究部・組織形態研究室, 室長 (30311426)
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Keywords | FRET / Ras / GFP |
Research Abstract |
低分子量GTP結合蛋白の活性化モニターRaichuを完成させた。これは、緑色蛍光蛋白(GFP)の変異体ECFPとEYFPとの間に起きるFRETを利用するものである。FRETとはFRETとは、下記の現象を指す。蛍光物質AおよびBという物質がλaexおよびλbexで励起され、λaemおよびλbemの光をそれぞれ発光するとする。この時、AおよびBがごく近傍に存在し、λaemがλbexに十分に近い時、AおよびBの混合物にλaexの光を照射すると、物質AのエネルギーがBに吸収されλbemの発光が観察される。そこで、Rasの活性化を調べるために、GTP結合型RasのみがそのRafに結合することを利用して、Rasの活性化のモニター蛋白を作成した。この蛋白はRas、Raf、ECFP、およびEYFPとからなる。この構造により、低分子量G蛋白がGTPに結合して活性化されたときにのみ、モニター分子内で低分子量G蛋白と標的蛋白とが結合し、それにより、GFPドナーとGFPアクセプターのFRET効率が変化する。この蛋白を用いて、Rasが上皮細胞増殖因子受容体により活性化される様子を観察した。上皮細胞増殖因子で刺激されたCOS細胞において、Rasの活性化は細胞膜周囲からおきることがわかった。特に、ラッフリングの部分で顕著であった。細胞密度を濃くした細胞においては、Rasは主に、自由縁から活性化され、隣接する細胞と接触している部分においてはその活性化が抑制される傾向にあった。Ras蛋白の活性化を可視化する始めての技術であり今後の発展が期待される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Mochizuki N, et al.: "Crk Activation of JNK via C3G and R-Ras."J Biol Chem. 275. 12667-12671 (2000)
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[Publications] Yamashita S, et al.: "CalDAG-GEFIII activation of Ras, R-Ras, and Rap1."J Biol Chem. 275. 25488-25493 (2000)
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[Publications] Ohba Y, et al.: "Rap2 as a Slowly Responding Molecular Switch in the Rap1 Signaling Cascade."Mol Cell Biol. 20. 6074-6083 (2000)
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[Publications] Ohba Y, et al.: "Regulatory proteins of R-Ras, TC21/R-Ras2, and M-Ras/R-Ras3."J Biol Chem. 275. 20020-20026 (2000)
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[Publications] Mochizuki N, et al.: "Activation of ERK/MAPK pathway by an isoform of rap1GAP associated with Gai."Nature. 400. 891-894 (1999)