地殻放射電磁波の音響学的信号処理による地殻異常診断に関する研究

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11305031
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
• Research Institution: Aichi Prefectural University
• Principal Investigator: 畑 雅恭 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (90180877)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 井手口 哲夫 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (10305518) ; 安川 博 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (00305517) ; 内匠 逸 名古屋工業大学, 工学部・知能情報学科, 助教授 (30188130) ; 山口 栄作 愛知県立大学, 情報処理教育センター, 講師 (90273317) ; 奥田 隆史 愛知県立大学, 情報科学部, 助教授 (20204125) ; 足立 整治 愛知県立大学, 情報科学部, 助教授 (90305516) ; 北村 正 名古屋工業大学, 工学部・知能情報学科, 教授 (60114865) ; 田 学軍 愛知県立大学, 情報科学部, 助手 (70305514)
• Keywords: 地殻放射電磁波 / ディジタル信号処理 / 音響学的分析 / データ収集システム / 地震予知システム / ソニフィケーション / 雑音除去 / 多次元データ処理

Research Abstract

本年度の研究実施概要は以下のようになる.
(1)データ収集システム:全国多地点で得られる地殻電磁波観測データの受信、記録、効率的な収集方法に関する研究,特に、高機能型観測データ収集方式の検討を行った。既存の観測データ収集装置の性能を向上するため、現地で可能なデータ処理、公衆回線による転送データの圧縮・暗号化、GPSによる時刻情報の高精度化の方式について検討した。
(2)ディジタル信号処理:観測収集された電磁波信号に対して雑音除去等の前置処理を行い音響学的分析を効率的に行うためのデータに変換する方法を検討した.このため電磁波観測データの地域的、季節的、(1日の)時刻的な観測電磁波強度の偏り補正方式として地域的に多次元のデータ処理による新たな補正方式を研究し効果的であるとの知見を得た.本方式の、人工・生活雑音等の除去方式への展開も検討している.
(3)音響学的分析:データを音に変換し、聴覚を用いてそのデータを分析する手法(ソニフィケーション)を用いて検討した.放射電磁波を可聴周波数領域へ変換(ソニファイ)し、聴覚を用いて放射電磁波の分類と評価を行うため,(a)準備として、地殻放射電磁波の年変化、日変化などの統計的性質を調べた.(b)放射電磁波の可聴周波数領域への変換を行い、聴覚による弁別の可能性を確認した.(c)また同時に、スペクトル分析により、ソニファイされた電磁波のフォルマント等の構造を明らかにするため、腺形予測分析、ケプストラム分析により、音響パラメータを推定することにより,異常地殻電磁波の分離検出の可能性を有することが確認出来た.今後さらに研究を進める予定である

Research Products

• [Publications] M.Hata et al.: "On electromagnetic wave precursors of extremely low frequency"Progress in Electro magnetics Research Symposium,PIERS1999. 7-552 (1999)
• [Publications] M.Hata et al.: "GM counting anomaly preceding volcanic swarm was existed and tell preparing mechanisms of quantum and geochemistry"IUGG99,JSA15/E/59. (1999)
• [Publications] M.Hata et al.: "ELF-band monitoring system of volcanic eruption and earthquake"Advances on Natural Hazards Mitigation-Experiences from Europe and Japan,1.3 of the proceedings. 3-4 (1999)
• [Publications] 畑 雅恭: "低周波磁界による地震予知"電気学会総合全国大会シンポジウム. (1999)
• [Publications] 畑 雅恭 他: "浅海底における地震電磁波前兆の観測"地球惑星科学関連学会合同大会. Sj-006. (1999)
• [Publications] 畑 雅恭 他: "地震前兆電磁波放射と赤外線撮影で出現する線状ドット痕について"地球惑星科学関連学会合同大会. Sj-p004. (1999)
• [Publications] 畑 雅恭: "地震予知と電磁波前兆"技術開発ニュース(中部電力). 83. 3-4 (2000)
• [Publications] 畑 雅恭: "低周波磁界による地震予知"関西サイエンスフォーラム講演資料. 1月13日. (2000)
• [Publications] 内匠 逸 他: "ELF環境電磁波の変動スペクトラムからみた検討"1999年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 9. 213 (1999)
• [Publications] 内匠 逸 他: "極超低周波数帯電磁波観測システム-地震予知をめざして-"高速信号処理応用技術学会会誌. 2・5. 1-5 (1999)
• [Publications] Hiroshi Yasukawa: "Implementation of Huge Tap Length Adaptive Digital Filters"Proceedings of 1999 IEEE International Symposium on Intelligent Signal Processing and Communication Systems,I. 311-314 (1999)
• [Publications] 井手口 哲夫 他: "電磁波観測のための移動型端末に関する一検討"2000年電子情報通信学会総合大会講演論文集. 3. 262 (2000)
• [Publications] 足立 整治 他: "信号処理による地殻放射電磁波の抽出と聴覚ディスプレイ"日本音響学会2000年春季研究発表会講演論文集. 2. 1047-1048 (2000)
• [Publications] 足立 整治 他: "地殻放射電磁波変動スペクトルの解析と聴覚ディスプレイ"2000年電子情報通信学会総合大会講演論文集. 1. 118 (2000)
• [Publications] Takashi Okuda,et al.: "A Dynamic Flexible Grouping over CORBA-based Network and its Application to Mobile Computing"Proceedings of 2000 ACM Symposium on Applied Computing,SAC 2000. (2000)
• [Publications] 奥田 隆史 他: "CORBA ベースダイナミックフレシキブルグルーピングによる重点観測方式"2000年電子情報通信学会総合大会講演論文集. 3. 154 (2000)
• [Publications] Xuejun TIAN et al.: "A Study on CORBA-based Distributed Observation System of Seismic Electromagnetic Wave"Proceedings of Second International Conference on Information Fusion,Fusion99.. 7. 841-846 (1999)
• [Publications] 田 学軍 他: "統合型地震誘導電磁波情報システム"1999電子情報通信学会部門別全国大会講演論文集. 9. (1999)