1999 Fiscal Year Annual Research Report
感染植物のオキシダティブバーストの分子機構と局部・全身感染防御応答の統御機構
Project/Area Number |
11306004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
道家 紀志 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80023472)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 博文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30240245)
川北 一人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (90186065)
|
Keywords | オキシダティブバースト / NADPH酸化酵素 / gp91phoxホモログ / NADPH酸化酵素活性化機構 / 細胞の過敏感反応能 / 防御応答遺伝子のクローニング / Ca^<2+>シグナリング |
Research Abstract |
感染防御応答の初期始動シグナルであるオキシダティブバースト(OXB)系の実態の解明とその制御下で局部的組織および全身的に発現する防御反応の二次元的変動を総合的に解明する3カ年計画の1年目として、次の結果を挙げた。1.応答細OXBを担う酵素系の分子的解明の課題として、推定されるNADPH酸化酵素のサブユニットであるgp91^<phox>ホモログのcDNAをクローニングし、その構造を推定するとともに、大腸菌発現系で発現させたタンパク質を分離し抗体を作成した。2.エリシターに対する過敏感応答性と非応答性はOXBの誘導の有無に起因し、応答性細胞ではCa^<2+>チャネルを介したCa^<2+>の細胞内インフラックスおよびCa^<2+>、カルモジュリンに依存したタンパク質リン酸化酵素の活性化によりNADPH酸化酵素系が活性化されOXBが起こること、また、タンパク質脱リン酸化の阻害によりOXBが活性化されることから、NADPH酸化酵素系は経常的に具備されておりタンパク質リン酸化/脱リン酸化の回転により制御されることを示した。応答能のない組織では、Ca^<2+>のインフラックスがあっても、タンパク質リン酸化経路のレベルが低く、それは傷害や感染刺激により活性化されるものであることを示唆した。3.局部的OXBから発信・伝達される全身的シグナルは非応答性組織でも伝達され、細胞内シグナル伝達系阻害剤で影響を受けず、細胞表面のCa^<2+>動向制御で抑制されるので、細胞表面でのCa^<2+>シグナリングが関与していることを示した。4.エリシター刺激により局部的に発現が誘導される遺伝子および全身的OXBに伴って発現が誘導される数種の遺伝子を、各種のディファレンシヤルディスプレー法により、cDNAとしてクローニングし、相同性検索から新規に10余種を同定した。前者の場合ではノーザン解析によりそれぞれの経時的発現パターンを明らかにし、後者の場合は分析用の試料を作成した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Y.Miura,H.Yoshioka,H.-J.Park,K.Kawakita and N.Doke: "Plasma membrane perturbation in association with calcium ion movement followed by fungal elicitor-stimulated oxidative burst and defense gene activation in potato tuber"Ann.Phytopath.Soc.Japan. 65・4. 447-453 (1999)
-
[Publications] K.Furuse,D.Takemoto,N.Doke and K.Kawakita: "Involvement of actin filament association in hypersensitive reactions in potato cells."Physiol.Mol.Plant Pathol.. 54. 51-61 (1999)
-
[Publications] D.Takemoto,H.Maeda,H.Yoshioka,N.Doke and K.Kawakita: "Effect of cytocharasin D on defense responses of potato tuber discs treated with hyphal wall components of Phytophtora infestans"Plant Sci.. 141. 219-226 (1999)
-
[Publications] H.Hirofumi,N.Yamada,and N.Doke: "cDNA cloning of sesquiterpene cyclase and squarene synthase,and expression of the genes in potato tuber infected with Phytophtora infestans."Plant Cell Physiol.. 40・9. 993-998 (1999)
-
[Publications] D.Takemoto,M.Hayashi,N.Doke,M.Nishimura and K.Kawasakita: "Molecular cloning of a defense-response-related cytochrome P450 gene from tobacco."Plant Cell Physiol.. 40・12. 1232-1242 (1999)
-
[Publications] S.Katou,K.Senda,H.Yoshioka,N.Doke and K.Kawakita: "A 51kDa protein kinase of potato activated with hyphal wall components from Phytophthora infestans."Plant Cell Physiol.. 40・8. 825-831 (1999)