2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11307032
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 雄二 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40283759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 絵里子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70231561)
大道 正英 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10283764)
神崎 徹 大阪大学, 医学部・附属病院, 講師 (00263278)
福田 裕償 大阪大学, 医学系研究科, 助手
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Keywords | 臍帯オクルージョン / 低酸素脳障害 / 胎仔低血圧 / フリーラジカル |
Research Abstract |
羊胎仔による低酸素・虚血性脳障害発生メカニズムの解析の基礎的研究段階として、ラットを用いてLevineらの開発した低酸素・虚血性脳障害モデルを作成し、低体温による脳障害予防効果とcaspase-3の出現を検討することにより、脳障害の発生とアポトーシスの関係、および低体温による脳障害予防効果発現のメカニズムを解明した。 7生日のSprague-Dawley ratsをハロセン麻酔下に左頚動脈を5-0絹糸で結紮。1時間回復期間の後、37℃、酸素濃度8%(窒素による)の環境に1時間放置。その後低体温群と常体温群の二群に分け、24時間後には両群ともに母親と同じケージに戻した。低酸素後、24、48、72、168時間後に4℃9%の生食で還流後0.1MのPBSで希釈した4%ホルムアルデヒド(pH7.4 at 4℃)で還流した後脳を取り出し、同じ溶液でさらに24時間還流した。組織切片は通常のパラフィン包埋を行い、HE染色、anti-activated caspase-3 antibodyおよびanti MAP antibodyによる免疫染色を行った。 結紮側と反対側の脳半球では、低体温および常体温群ともにいずれの日数でもactivated caspase-3 positive-cellsは殆ど認められず、またHE染色標本でも異常を認めなかった。このことは結紮と反対側ではアポトーシスが起きていないことを示す。それに対して、結紮した側の脳半球では、常体温群ではactivated caspase-3 positive-cellが168時間まで多数認められたが、低体温群ではactivated caspase-3 positive-cellの出現はわずかであった。またactivated caspase-3 positive-cellが陽性な部分はMAP染色が陰性の部分と一致し、その部位で組織学的な障害が起きていることが示された。 低酸素・虚血性脳障害発生のメカニズムにはcaspase-3を介したアポトーシスが関与していることが示された。また、低体温による脳保護作用として、caspase-3の活性化を抑制しアポトーシスを回避することが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Masahara,M.Ohmichi,H.Kurachi,K.Tasaka,T.Kanzaki,A.Kimura,J.Hayakawa,K,Hisamoto: "Involvement of extracellular signal-regultaiton protein kinase in gliosis induced during recovery from metabolic inhibition"Biochemical Biophysical Res Commun. 267. 892-896 (2000)