1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11410127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大村 益夫 早稲田大学, 語学教育研究所, 教授 (80063569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波田野 節子 県立新潟女子短期大学, 国際教養学科, 助教授 (50259214)
白川 豊 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (00179045)
芹川 哲世 二松学舎大学, 文学部, 教授 (40216552)
布袋 敏博 早稲田大学, 語学教育研究所, 講師
藤石 貴代 新潟大学, 人文学部, 講師 (20262420)
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Keywords | 近代朝鮮文学 / 金朝奎 / 田栄澤 / 廉想渉 / 兪鎮午 / 洪命憙 / 金斗鎔 / 京城帝国大学 |
Research Abstract |
初年度にあたり、今年度の作業は基本的な資料の発掘収集と整理が中心となった。分担者らは7月と12月の2度、代表者の所属する大学に集まって研究状況の報告と資料検討会を行なった。内容は以下の通りである。 廉想渉の1920年代作品に現れた日本を研究のテーマとする白川豊は、「万歳前」の日本語翻訳と精密分析を行ない、作中の地名イニシャルを手がかりに実名調査を行なった。田栄澤を研究対象とする芹川は、全集未収録作品とくに朝鮮戦争後の日本滞在中の作品を調査したが、そのほかに、1910年代から20年代の留学生によって東京で発行された雑誌「学之光」を資料に当時の留学生の全体像を把握する作業も行なっている。兪鎮午を分担した白川春子は、代表作「金講師とT教授」の内容が朝鮮語版と日本語版によって違うことに注目して研究を続行中である。同じ兪鎮午をふくむ「京城帝国大学」出身文学者をテーマとする布袋は、兪鎮午の作品年譜資料を作成した。洪命憙を分担する波田野は、韓国内における研究状況を調査し、洪命憙研究は近年飛躍的に向上しているが日本に関連する領域ではなすべき部分が残っていると報告した。金斗鎔の在日朝鮮人文化論をテーマとする藤石は資料収集中。旧「満州」時代の朝鮮人文学者のうち詩人金朝奎を対象に選んだ大村は、作家と作品年譜を整理し、時代による作品の変遷の調査結果を報告した。このほか、布袋と大村は早稲田出身の朝鮮人文学者のリストを作成し、学籍簿等を調査して彼らが住んだ場所を当時の地図を参考に調査中である。 これらの研究結果は最終年度に報告論文集としてまとめる予定である。なお来年度は『「毎日申(新)報」所載 朝鮮文学関係目録』を作成する。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 大村益夫: "コップ朝鮮協議会と『ウリトンム』"語研フォ-ラム. 99年秋号. 1-24 (1999)
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[Publications] 芹川哲世: "三・一独立運動80周年にあたって"アジアと日本. 307号. 34-37 (1999)
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[Publications] 芹川哲世: "急がれる資料復元と文学館設立(韓国語)"文学思想. 29巻1号. 110-119 (2000)
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[Publications] 白川 豊: "韓国語教育と文学-九州地域の大学での教育側から-"日本地域における韓国語教育. 56-63 (1999)
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[Publications] 白川 豊: "私が会った韓国の元老文人たち(朝鮮語)"文学思想. 29巻1号. 128-139 (2000)
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[Publications] 波田野 節子: "『狂画師』再読-新たな解釈の可能性およびイメ-ジの源泉について-"朝鮮学報. 173輯(10月). 87-133 (1999)
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[Publications] 布袋敏博: "韓国留学時節11年の決算(朝鮮語)"文学思想. 29巻1号. 120-127 (2000)
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[Publications] 權寧〓 布袋敏博 訳: "階級文学運動の組織拡大と政治的進出問題-カップと新幹会の関係を中心として-"語研フォ-ラム. 3月号(12号). 159-200 (2000)
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[Publications] 藤石貴代: "金南天の「浪費」「経営」「麦」連作について"朝鮮学報. 171輯(4月). 103-143 (1999)
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[Publications] 李徳周 芹川哲世(訳): "〈基督教民族主義形成基盤としての宗教抵抗運動の性格研究〉『3・1独立運動80周年を考える-日韓の和解とアジアの平和』"3・1独立運動シンポジウム実行委員会. 154 (1999)