2001 Fiscal Year Annual Research Report
法学教育と法曹養成との関係についての比較的実証研究
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11420001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樋口 範雄 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (30009857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 洋一 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (50201934)
浅香 吉幹 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (50175832)
寺尾 美子 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (20114431)
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Keywords | 法学教育 / 法曹養成 / 法曹倫理 / 比較法 |
Research Abstract |
本研究の最終年度である第3年度においては、これまでの2年間の成果を踏まえつつ、総括的な段階の研究を行った。6月の司法制度改革審議会報告書で法科大学院構想がより具体化されたのをにらみつつ、諸国における法学教育と法曹養成との関係の多様性を比較することに重点を置いた。具体的には、アメリカにおいて法学教育に関する指導的論者といえる研究者および裁判官を研究会のゲスト・スピーカーとして招き。とりわけアメリカ法学教育のここ10年の展開について議論を行うとともに、4名の研究成果の突き合わせを行った。また、アメリカ合衆国で開催された会議に1名参加するとともに、統合によりいよいよ域内での弁護士活動の流動化が進行しつつあるヨーロッパの状況について1名が調査に赴いた。 諸国における弁護士活動の専門化・名様化は急速に進行しつつあり、一方において非法律家との提携によるワン・ストップ・ショッピングが依頼者にとって便宜となりつつ、弁護士が多様な機能を同時に果すということで伝統的な法曹倫理が希釈されてしまうという事態が起きている。法学教育における法曹倫理教育の問題は、近年のアメリカでは、クリニカル教育の実践の中でも教えられており、学生もより具体的シチュエイションでの依頼者との応接など、弁護士が日々直面する倫理の問題について考える手掛かりを提供している。しかしクリニカル教育についてはその制度・基盤の整備が容易ではないとともに、伝統的な法学教青と組み合わせることでその真価を発揮するという点には注意を要する。
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Research Products
(1 results)