2000 Fiscal Year Annual Research Report
環境・経済統合勘定に基づく環境CGEモデルの開発と環境政策のシミュレーション分析
Project/Area Number |
11430003
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
有吉 範敏 熊本大学, 法学部, 教授 (10176000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
作間 逸雄 専修大学, 経済学部, 教授 (50114947)
市岡 修 専修大学, 経済学部, 教授 (20117691)
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Keywords | 環境・経済統合勘定 / SEEA / ケイパビリティ / 風土 / CGE |
Research Abstract |
平成12年度は、当所の計画通り研究分担者の作間を中心に「環境CGEモデルのための環境・経済統合勘定データセットの編纂」を主要課題として研究を進めてきた。 具体的には、経済企画庁のSEEA関連データを中心に各種データを収集し、それらを適宜加工することによって、前年度に構築したSEEAの拡張体系-包括的環境・経済勘定行列(GAMEE)-に適用可能なデータセットの編纂に取り組んだ。この編纂作業は、データ収集状況に合わせたGAMEEの修正・改良を伴うものであるため、作間と有吉の共同で行われた。 また、この作業に伴って作間と有吉は、平成10年度から経済企画庁経済研究所(現:内閣府・経済社会総合研究所)が取り組んでいる環境保護支出勘定と廃棄物サテライト勘定に注目し、有吉がこれら2つの勘定をGAMEEへ組み込む作業を、また、作間と有吉がそれらのデータのチェックを行ってきた。 その一方で作間は、アマーティア・センのケイパビリティ概念やオギュスタン・ベルクの風土概念に着目し、環境としての風土や文化財の研究を推し進めるとともに、福祉の観点から環境勘定への取り組みの視点を示すなど、多数の研究成果を生み出した。 環境CGEモデルについては、研究分担者の市岡が平成11年度に引き続いて担当しており、現在、基本モデルの設計とそれによるシミュレーション分析の試行段階にある。 平成12年度までの研究で、本研究の基本勘定としてのGAMEEの改良とそれへのデータの編纂がある程度まとまったので、平成13年度はGAMEEを基礎にした環境CGEモデルの構築とシミュレーション分析を行う予定である。
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[Publications] 作間逸雄: "アメニティー・ケイパビリティー・風土-風土を取り戻すために-"環境経済・政策学会年報. 5. 76-89 (2000)
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[Publications] 作間逸雄: "SNAの世紀"統計. 51・12. 24-29 (2000)
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[Publications] 作間逸雄,作間美智子: "文化財保護をめぐるナショナリズムとインターナショナリズム"専修大学社会科学研究所月報. 450. 1-63 (2000)
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[Publications] 作間逸雄: "ポパー3世界論と生産境界:1993年SNAの生産境界・資産境界をめぐって"社会科学年報(専修大学社会科学研究所). 35. 223-259 (2001)
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[Publications] 作間逸雄: "福祉国家の再定義と国民経済計算"現代経済学研究(西日本理論経済学会編:勁草書房). 9. (2001)
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[Publications] Y.Kurabayashi,I.Sakuma,N.Ariyoshi 他多数: "The Progress in Environment and Resource Accounting Approach -A Principle to the Global Environmental Issues-"IMAI BOOKSELLER CO.LTD, Japan. (2001)