1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11440015
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野 薫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20204232)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清原 一吉 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80153245)
石川 剛郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50176161)
泉屋 周一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127422)
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
|
Keywords | シンプレクティック構造 / 接触構造 / Floerホモロジー / ラグランジュ部分多様体 / モノポール方程式 / 特異点 |
Research Abstract |
代表者小野は、分担者深谷、太田両氏を含めて、ラグランジアン部分多様体の対のFloerホモロジーの定義される為の障害理論の構成を研究し続けて来た。今年度は、技術的な細部の詰めを行った。例えば、障害類を定義するためには、種々の正則円盤のモジュライ空間に一斉に同調した向きを入れることが必要となるが、この向きの問題をほぼ完全に解決できた。また代表者は太田氏と共に、複素曲面の単純特異点のリンクに入る接触構造のシンプレクティック・フィリングと呼ばれる4次元多様体の交叉型式について、サイバーグ・ウィッテン不変量を用いて結果を得ていたが、今年度の研究で次の事が判った。各特異点のリンク毎にある決った別の4次元多様体でその境界がリンクと同型であるものをとり、これをシンプレクティック・フィリングと貼りあわせるとできる閉4次元多様体は、有理曲面と同型となる。E_8型特異点の場合にはこのことを基に極小シンプレクティック・フィリングの微分同相類が決定できそうである。E_8型以外の時も分担者神田氏も含めた議論で、極小シンプレクティック・フィリングの第2Betti数が決定できた。小野は深谷氏と共にハミルトン系のFloerホモロジーを整数係数で定義する試みをはじめた。柱となるアイディアは得たので、成功する可能性は大きいと思われる。 分担者の泉屋氏は、1階偏微分方程式の解の特異性や、空間曲線に付随した平面族の包絡面に現れる特異点とその幾何学的意味の研究等、特異点をめぐる諸問題に取り組み成果を挙げている。分担者の石川氏は、可展開超曲面の特異点の研究や、新しいタイプの安定ラグランジュ特異点の発見等の成果を挙げた。分担者の神田氏は、凸なエンドをもつ開シンプレクティック多様体上でのTanbesの定理の類似を示し、上記の小野、太田の単純特異点のリンクのシンプレクティック・フィリングの1つの結果の拡張を与えた。海外出張は当初の予定より少なくなったのでその分を備品を拡充した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] T. Ono: "Arnold conjecture and Gromov-Witten invariant"Topology. 38. 933-1048 (1999)
-
[Publications] T. Ono: "Arnold conjecture and Gromov-Witten invariant for general symplectic manifolds"Fields Institute Communications 24. 24. 173-190 (1999)
-
[Publications] T. Ono: "Simple singularities and topology of symplectically filling 4-manifolds"Commentarii Mathematici Helvetici. 74. 575-590 (1999)
-
[Publications] Goo Ishikawa: "Singularities of developable surfaces"London Mathematical Society Lecture Notes. 263. 403-418 (1999)
-
[Publications] Shuichi Izumiya: "Singularities of solutions for first order partial differential equations"London Mathematical Society Lecture Notes. 263. 419-440 (1999)