1999 Fiscal Year Annual Research Report
ドップラーレーダーによる熱帯降水過程の時空間分布に関する研究
Project/Area Number |
11440141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
里村 雄彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20273435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖 大幹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (50221148)
渡辺 明 福島大学, 教育学部, 教授 (70114006)
西 憲敬 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00222183)
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Keywords | 熱帯 / 降水 / ドップラレーダー / 数値モデル / ゾンデ観測 / TRMM / 水収支 / 陸面過程 |
Research Abstract |
2次元非静水圧雲解像モデルを用い,インドシナ半島の降水日変化について調べた。モデルの初期値は,6月気候値の風速・気温・湿度の鉛直分布から作成した。計算の結果,モデルは観測されている日変化の特徴をうまく再現しただけでなく,1)タイ西部と中央部に位置する山地の風下側山麓において対流雲が夕方に励起され,2)それらがスコールラインに組織化されて夜間に東へ移動して行く,という現象の繰り返しで起こっていることがわかった。これらの計算結果に基づき,太陽同期したスコールラインの発生と東への移動がインドシナ半島内陸部の降水日変化の夜の極大をもたらしている,と結論した。また,高分解能の対流活動指数を用いた対流雲活動の日変化の空間分布も解析し,数値実験を支持する結果を得た。この成果をまとめたものを国際研究集会で発表すると共に気象集誌に投稿した。 H10年度に取得されたタイのドップラーレーダーデータには複数のデータ書式が含まれていたので,これをUF(Universal Format)に変換して統一し,取得データの大半をハードディスクに収容した。このデータを用い,本年度は最低仰角のPPIデータを用いたエコー分布の日変化に関する予備的な解析を開始した。その結果,月平均したエコー分布においてもエコーの存在する場所が時間と共に東へ移動している様子を見ることができた。これは,スコールラインの東への移動が日変化の主要な原因であるという数値実験の予測と整合したものである。また,観測領域内のエコー面積の月平均日変化を比較した結果,山脈近くのチェンマイと少し離れたコンケンではチェンマイのエコー面積最大時間が18時前後であるのに対しコンケンでは真夜中になることがわかった。これも,数値実験の予測と整合している。さらに,高時間分解能ゾンデ観測を用いた温位・水蒸気の日変化や広域の水収支の実体も調べ,それぞれ国際研究集会で発表した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Satomura: "Numerical simulation of diurnal variability of precipitation across the Indo-China Peninsula"Prep. 3rd Int. Conf. GEWEX. 135-136 (1999)
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[Publications] 岩崎俊樹,里村雄彦 他: "第13回メソ気象研究会の報告"天気. 46・3. 243-247 (1999)
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[Publications] 里村雄彦,渡邊明: "気象制御に関する第7回WMO科学会議に出席して"天気. 46・8. 513-515 (1999)
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[Publications] A.Watanabe: "On the precipitation at midnight in the northeastern Thailand"Prep. 3rd Int. Conf. GEWEX. 456-457 (1999)
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[Publications] 瀬戸心太,沖大幹他: "TRMM-PRを用いた土地被覆ごとの後方散乱係数特性"水工学論文集. 43. 223-226 (1999)
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[Publications] 渡辺哲平,沖大幹他: "タイにおける大気水収支と広域蒸発散量"水文・水資源学会誌. 12. 221-230 (1999)
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[Publications] 斎藤和雄,里村雄彦他: "気象研究ノート 第196号 「非静力学モデル」"気象学会. 195 (1999)