1999 Fiscal Year Annual Research Report
環境プルトニウム分析室での分析法教育と環境プルトニウムの挙動研究 ―プルサーマル原子力発電時代の環境問題解決を目指して
Project/Area Number |
11450198
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
工藤 章 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (00281113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 三郎 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90092808)
菅原 正孝 大阪産業大学, 工学部, 教授 (60026119)
寺島 泰 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50019717)
佐々木 隆之 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (60314291)
松田 知成 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50273488)
藤川 陽子 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (90178145)
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Keywords | プルトニウム / 環境試料 / 前処理 / アルファ線スペクトロメトリー / 電着法 / 分離精製 |
Research Abstract |
平成11年度は、研究代表者、分担者の選任した研究者について、最も基本的な環境試料中のプルトニウム分析方法の訓練を行った。すなわち、環境試料の灰化、収率トレーサーの添加、酸分解と濃縮、ろ過、分解濃縮液中のイオンの状態調整、樹脂によるプルトニウムの分離と濃縮、電着操作とアルファ線スペクトロメトリー法による測定である。 訓練において特に力点を置いたのは、有機物を多く含む土壌の分析である。有機物が多く含まれる試料は、従来のマニュアル操作にある灰化や酸浸出等では、良い収率を得られない場合がしばしばある。特に、日本の土壌は肥沃であり、この分析法を習得することが、第一の課題でもあるとの認識で訓練を行った。その結果、悪い時には1%以下の収率しか得られなかった試料に関しても、90%以上という高い収率で回収することが出来た。ここで得られたプルトニウムの放射能を、アルファ線スペクトロメトリーにより計測する場合、電着操作は計測率を大きく左右する。出来るだけ薄く、かつ密に電着させるために、電着装置の様々な工夫が必要である。11年度は、訓練を受ける者にこの技術を習得させ、更なる技術的改良への基礎を教育した。さらに、濃縮したプルトニウム溶液の誘導結合プラズマ質量分析への将来的適用を鑑み、溶液調整の方法も指導した。なお、これらの訓練は、主に国内のプルトニウムを取扱うことの出来る施設で行われた。さらに、環境中の極微量プルトニウムの測定で、世界で最も高い技術を有する研究所の一つであるカナダ国立科学研究院の熟練した技術者とその技術交換を行い、我が国におけるプルトニウム分析技術の高度化に向けての情報交換等も併せて行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kudo A.et al.: "Global Transport Rates and Future Prediction of Hazardrous Materials: Pu and Cs-from Nagasaki to Canadian Arctic"Int. Water Association, Ecohazard 99. 1. 229-236 (1999)
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[Publications] Kudo A.: "A Lesson from the First Japanese Fission Accident Caused by an Accidental Critical Mass Creation"J of Environmental Conservation and Technology. 28. 711-718 (1999)
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[Publications] Fujikawa Y.,Sugahara M.and Kudo A.: ""Strong association of fallout plutonium with humic and fulvic acid as compared to uranium and ^<137>Cs in Nishiyama soils from Nagasaki, Japan""Water, Air and Soil Pollution. 240. 69-74 (1999)