2000 Fiscal Year Annual Research Report
微小電極・ラマン分光・液クロ複合システムによる耐食材料の局部腐食反応その場解析
Project/Area Number |
11450267
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
三澤 俊平 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70005982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 彰 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70136422)
田辺 博義 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70125376)
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Keywords | 局部腐食界面pH / 局部pH分布 / pHマイクロセンサー / 微小pHセンサー / Fe-Cr合金 / 走査型電気化学顕微鏡 / 顕微ラマン分光 |
Research Abstract |
本年度は、金属材料の局部腐食反応ダイナミックスを明らかにする上で重要となる金属電極/電解水溶液界面のH^+濃度(pH)の局在化分布状態を実測するための2種類のpHマイクロセンサーの試作開発に力点をおいた研究を展開した。 1)H^+イオノフォアを活用したpHマイクロセンサーを装備した走査型電気化学顕微鏡(SECM):(1)φ18μm白金線をガラス管に溶着封入した先端をシアン溶液で交流電解研磨し、先端径を0.3μm以下とした。得られた白金探針は、先端部以外を絶縁被覆し、先端部をH^+イオノフォア処理した。(2)作成したマイクロセンサーをpH1.8〜10の広範囲で検量線を測定した結果、-63mV/pHの理想的な直線的応答関係を示し、速い応答特性を示した。(3)pHマイクロスコピーSECM:作成したpHマイクロセンサーをXYZナノポジショナーに接続し、pH9.6のホウ酸系緩衝溶液に、局部腐食誘発イオンであるClを0〜100ppm添加して、pH分布測定を行った。Cl^-添加量の増加に伴いpHは低下し、深さ方向のpHは界面から離れるにつれて徐々に上昇し数百μm〜1mm程度上空で一定値を示すことが明らかとなった。 2)微小pHセンサー電極の作成とそのFe-Cr合金電極溶解界面への適用:φ18μmイリジウム細線を高温酸化した後先端部を残して被覆して、pH検量線を実測してpHマイクロセンサーとなることを確かめた。Fe、Fe-9mass%Cr合金試料を初期アノード溶解(電荷量30mC/cm^2)させた後、1min後の界面近傍のpHを実測した。9Cr合金では、pHは中性沖合溶液より約3低下(酸性化)する現象をとらえることができた。界面近傍の顕微ラマン分光測定も行った。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 川端智義,田邊博義,駒崎慎一,三澤俊平: "Fe-Cr合金電極の溶出金属イオンの加水分解に伴うpH変化とラマン分光観察"2001年3学協会北海道支部研究発表会講演要旨集(2001年1月). 1月. 17 (2001)
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[Publications] 森永将晃,駒崎慎一,三澤俊平: "低合金鋼中MnS介在物の電気化学的優先溶解と局部pH観察"日本鉄鋼協会・日本金属学会両北海道支部冬季講演大会概要集(2001年1月). 1月. 21 (2001)
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[Publications] 原修一,鹿島和幸,岸川浩史,幸英昭,三澤俊平: "三元系ダイヤグラムを用いて耐候性鋼橋梁のさび組成と関係づけた電位による防食性の評価"鉄と鋼. 87・1. 43-48 (2001)
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[Publications] 三澤俊平,近澤進,酒井彰: "クロム置換ゲーサイト人工さびの分子スペクトルおよび磁性の変化"材料と環境. 49・1. 26-29 (2000)
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[Publications] A.Sakai,T.Kabutomori and T.Misawa: "In-Situ Micro-Raman Scattering Investigation of LaNi_<3.4> Co_<1.2> Mn_<0.1> Al_<0.3> Metal Hydride under Hydrogen Atmosphere"Materials Transactions, JIM. 40・9. 847-850 (1999)
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[Publications] 滝口和彰,田邊博義,三澤俊平: "イオンクロマトグラフィー顕微ラマン分光法による低合金鋼中MnS介在物腐食のその場観察"日本鉄鋼協会・日本金属学会両北海道支部冬季講演概要集(2001年1月). 1月. 34 (2000)
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[Publications] 三澤俊平: "日本金属学会セミナー「最近の水素の検出法と水素脆化防止法」金属中への水素侵入と腐食反応"日本金属学会. 11 (1999)