1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
吉岡 尚文 秋田大学, 医学部, 教授 (80108935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石津 日出雄 岡山大学, 医学部, 教授 (70033157)
勝又 義直 名古屋大学, 医学部, 教授 (30109326)
塩野 寛 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20112451)
中園 一郎 長崎大学, 医学部, 教授 (30108287)
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Keywords | 自殺 / 脳内アミン / 遺伝子頻度 / DNA型 / セロトニントランスポーター / トリプトファンハイドロキシレース |
Research Abstract |
自殺率は秋田県や岩手県などの特定の地域が毎年高い。しかし、岡山県や愛知県の自殺率は常に低い。その原因については様々な考察がなされているが、未解明の部分が多い。鬱病と遺伝因子に関する研究が散見されるようになり、自殺に関しても環境因子以外にエモーショナルな遺伝的素因(脳内アミンの遺伝子)の関与が示唆されるものである。 本研究は、旭川、秋田、名古屋、岡山、長崎の日本5地域につき、人間の感情、気分に関係するといわれているセロトニントランスポーター(HT1AR)およびトリプトファンハイドロキシレース(A779C/A218C)についてDNA多型検索を行い、自殺行動とこれらのマーカーが関連性を有しているかどうかを検討するものである。今年度は、主に健常集団を対象とし、地域による差があるかないかを検討した。HT1ARの多型は地域に関係なく、大部分の検体がPPのホモザイゴシテイーであり、LLのホモザイゴシテイーはほとんど見られなかった。現段階での遺伝子頻度はP=0.990、L=0.010と計算される。一方、A218CおよびA779Cのいずれのマーカーも地域による差はほとんどなく、AとCのヘテロ型が多く(約50%)、AAあるいはCCのホモ型はほぼ同じ割合(それぞれ22〜26%)で見られた。遺伝子頻度はA218CならびにA779CともA=0.500、C=0.550であり、地域によってはAの遺伝子頻度が僅かに高いところもあったが有意差はみられなかった。自殺者については次年度行うが、健常集団との差を地域、年齢、性別、自殺背景などで分類し、DNA型との関連性を観察する。さらに、今回のマーカー以外に検査すべきもの、例えばコレチストキニンやモノアミンノキシダーゼ遺伝子など、があれば追加して行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 進藤祥子 他: "日本人のトリプトファンヒドロキシラーゼ遺伝子の多型"DNA多型. 7巻. 223-226 (1999)
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[Publications] Sasaki M.et al.: "The polymorphism of DYS388 and DYS392 on the Y chromosome in Japanese and German population"Int.J.Legal Med.. 112(2). 132-133 (1999)
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[Publications] 水上 創 他: "Y染色体上に存在するSTRの人類遺伝学的考察"DNA多型. 7巻. 175-177 (1999)
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[Publications] Matsumoto H.et al.: "Japanese population study of a Y-linked dinucleotide repeat DNA polymorphism"J.Forensic Sci.. 44. 588-591 (1999)
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[Publications] 池松和哉 他: "法医剖検例におけるADH2、ALDH2およびDRD4の遺伝子頻度"DNA多型. 7巻. 119-123 (1999)
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[Publications] 鶴屋伸一郎 他: "血液型判定用紙からのDNA profilingによる個人識別"法医学の実際と研究. 42巻. 17-20 (1999)