2000 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンD受容体をモデルにした,ホルモン存在下での核内受容体による転写抑制機構
Project/Area Number |
11470224
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡崎 具樹 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助教授 (60203973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 茂明 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (60204468)
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Keywords | ビタミンD受容体 / 転写抑制 / DNA-PK / ヒストン脱アセチル化酸素 / ネガティブ・フィードバック |
Research Abstract |
ビタミンDによる遺伝子発現抑制機構においては、いわゆるハーフサイトから成るDNAエレメント(nVDRE)とVDR、DNA-PK、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)が相互に関与する。我々はHDACの中でHDAC1とHDAC2とがこの遺伝子発現抑制機構において、役割を異にした重要な機能を持つことを見い出した。COS7細胞にVDRを発現させる系において、1)抗VDR、抗HDAC1、抗HDAC2抗体を用いたゲルシフトースーパーシフト法において、nVDREに対して、ビタミンD(-)下ではVDRとHDAC1、10nMのビタミンD(+)下ではVDRとHDAC2が結合する。2)VDRを発現させたCOS細胞から抽出した全細胞蛋白とnVDREのゲルシフト上の結合は、100nMのビタミンDをin vitroで加えることによって、2倍以上に増強した。3)この増強効果は、抗HDAC1抗体ではなく、抗HDAC2抗体によって元のレベルまで減弱した。4)nVDRE-CATレポーターとVDRをCOS7細胞に発現させる系において、HDAC1の共導入はビタミンD(-)下でのCAT活性を抑制したが、ビタミンD(+)下でのCAT活性には影響を与えなかった。これに対し、HDAC2の共導入はビタミンD(-)下ではなく、ビタミンD(+)下のCAT活性を著明に抑制した。4)nVDREを持つPTHrP遺伝子が内因性に発現されている、ヒトケラチノサイト細胞において認められたビタミンDによるPTHrP遺伝子の発現抑制は、HDAC阻害剤であるトリコスタチンAによって解除された。以上の実験から、ビタミンDによる遺伝子転写抑制機構に、HDAC、その中でもHDAC2が重要な役割を担っていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tomoki Okazaki: "Gene Regulation by Extracellular Calcium, Vitamin D and Osmolarity."Endocrine J.. 46・1. 1-9 (1999)
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[Publications] T.N.Shishita,T.Okazaki et al.: "A Negative Vitamin D Response DNA Element in the Human Parathyroid Hormone Related Peptide Gene Binds to Vitamin D…"J.Biol.Chem.. 273・18. 10901-10907 (1998)