2000 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部扁平上皮癌におけるシスプラチン耐性機序の解明とその臨床応用
Project/Area Number |
11470352
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
犬山 征夫 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70051480)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 洋文 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30292006)
古田 康 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (60261301)
福田 諭 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20125347)
|
Keywords | シスプラチン / 頭頸部癌 / 薬剤耐性 |
Research Abstract |
1 cDNAマイクロアレイを用いたシスプラチン耐性関連遺伝子の検索 cDNAマイクロアレイまたはDNAチップの開発により多くの遺伝子発現の差異を解析することが可能になっている。そこで、ヒト由来既知遺伝子約千種類の遺伝子発現の差異を一度に検出できるマイクロアレイであるIntelliGene Human CHIP 1K Set(宝酒造)を用いてシスプラチン耐性関連遺伝子の検索を行った。ヒト口腔底扁平上皮癌細胞株KBとその耐性細胞株よりmRNAを精製し、遺伝子発現解析を2回施行した。発現差に再現性が認められた5種類の遺伝子(glycoprotein hormone-α polypeptide,folate receptor 1,interferon-α inducible gene,transmembrane 4 superfamily member 1,KIAA0069 protein)が確認できた。さらにNorthern blot法を用いて発現差異を検証した。 2 臨床症例における解析 シスプラチンの超選択的動注と放射線の併用療法を検討したところ、非常に良好な抗腫瘍効果が得られ、機能を保存できる症例が増えた。しかし、中には治療に反応しない症例も認められた。そこで、シスプラチン超選択的動注療法を施行した上顎癌症例において、施行前の癌組織における上記の遺伝子と現在まで報告されている薬剤耐性に関連した遺伝子の発現をcDNAマイクロアレイを用いて解析した。生検組織から抽出できるmRNAは少量であるため、T7-based RNA amplification法によりRNAの増幅を行いcDNAマイクロアレイで解析を行った。その結果、遺伝子発現パターンによりシスプラチン超選択的動注療法の効果が予測可能であることが示唆された。
|
-
[Publications] 犬山征夫: "耳鼻咽喉科薬物療法の実際2000 耳鼻咽喉科で用いる治療薬のガイドライン 化学療法薬 抗癌剤"JOHNS. 16. 1299-1302 (2000)
-
[Publications] 福田諭: "頭頸部腫瘍の化学療法"Medical Academy News. 739. 7 (2000)
-
[Publications] 永橋立望: "下咽頭癌における放射線・化学同時併用療法"頭頸部腫瘍. 26. 476-482 (2000)
-
[Publications] Ito D: "Induction of CTL responses by simultaneousadministration of liposomal peptide vaccine with anti-CD40 and anti-CTLA-4 mAb."Journal of Immunology. 164. 1230-1235 (2000)
-
[Publications] Homma A: "Correlation of clinicopathological parameters and biological markers related to apoptosis and ploliferative activity with a clinical outcome in squamous cell carcinoma of the larynx chemoradiotherapy."Auris Nausus Larynx. (印刷中).
-
[Publications] 古田康: "cDNA マイクロアレイを用いた頭頸部癌の遺伝子発現解析"北海道頭頸部腫瘍研究会誌. (印刷中).