1999 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼筋痛および睡眠時ブラキシズムが顎機能に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
11470417
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古谷野 潔 九州大学, 歯学部, 教授 (50195872)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住吉 圭太 九州大学, 歯学部, 助手 (40284517)
松山 美和 九州大学, 歯学部, 助手 (30253462)
築山 能大 九州大学, 歯学部, 講師 (10236870)
|
Keywords | 睡眠時ブラキシズム / 睡眠時筋電図計測 / 顎運動測定装置 / 筋内血流計測 / 咀嚼筋痛 |
Research Abstract |
ホルター筋電計を用いて,プラキシズム測定用携帯型筋電図測定システムを開発し,筋電図解析システムを構築した.本システムの有用性を検討するために,原波形の確認が可能な携帯型筋電図測定解析システムを用い,ブラキサー2名に対して咬筋・側頭筋の同時測定を行った.その結果,高精度のデータによってブラキシズムの詳細な解析をすることが可能であることが確認できた.また,6自由度下顎運動計測装置と汎用筋電計,マルチチャンネルデータレコーダを用いて,下顎運動・筋電図同時計測解析システムを構築し,また汎用筋電計と筋内血流量計測の同時解析システムを構築した. 予備的検討の研究対象として,九州大学歯学部職員・学生の中から,簡単な質問表によって咀嚼筋痛および睡眠時ブラキシズムの認められない者5名(A群 とそのどちらも認められる者4名(D群)を選択した.まずブラキシズムおよび顎関節症の質問票を用いて自覚症状の診査を行い,さらに睡眠時ブラキシズム計測によってブラキサーの確定診断を行い,被験者の分類を行った.選択した被験者に咀嚼筋・顎関節部の圧痛診査および顎の可動域の診査を行った.また被験者の歯牙模型を採取し,Murphy's scoreによる咬耗の診査を行った.実験室にてガム咀嚼時の下顎運動と筋電図を測定した.また最大咬みしめ負荷試験を行い,右側咬筋の筋内血流と筋電図を同時に測定した.測定開始から2ヶ月間,毎日の筋痛をMcGill Pain QuestionnaireおよびVASにより診査した.その結果,A群よりもD群の睡眠時咬筋筋活動すなわち睡眠時ブラキシズムは、すべてのパラメータ(頻度,持続時間,活動量)において多く認められた.また,D群の中でも咀嚼筋痛の程度が高い者は明らかに圧痛および顎の可動域はA群よりも低い値を示した.咬耗については両群の間に差が認められなかった.D群の中の2名の咀嚼筋痛は改善が認められず,日によって疼痛の程度が異なっていた.このことから,慢性的に咀嚼筋痛のある者を考慮して調査する必要があることが考えられた.
|