2001 Fiscal Year Annual Research Report
新たな口蓋形成手術法の開発のために必要な口蓋帆挙筋の支配神経と筋線維構成の解析
Project/Area Number |
11470444
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Research Institution | MATSUMOTO DENTAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安田 浩一 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (30230220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 亮太 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (50298410)
中山 洋子 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (30308647)
古澤 清文 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (90165481)
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Keywords | 口蓋帆挙筋 / 舌咽神経 / ミオシン重鎖 / 鼻咽腔閉鎖 / 嚥下 / 呼吸 |
Research Abstract |
本研究は生理学的および解剖学的な事実に立脚した口蓋形成手術の改良あるいは開発を行うために、ラットを用いて口蓋帆挙筋の機能特性を明確にすることを目的としている。平成11、12年度には口蓋帆挙筋の運動および感覚ニューロンについて電気生理学的特性や形態学的特徴を明らかにした。本年度は免疫組織学的手法を用いて、口蓋帆挙筋の筋線維構成およびその加齢変化について検討した。実験には1、3、10週齢のWistar系ラットを用いた。手術用顕微鏡下で口蓋帆挙筋を摘出し、急速凍結した後にクライオスタットで厚さ10μmの横断連続切片を作製した。固定後、3%過酸化水素水-0.05M Tris-HCl bufferと5%ウシ血清アルブミンで前処理を行い、一次抗体として抗ミオシン重鎖マウスモノクロナール抗体(抗fast、抗slow、抗neonatal)、二次抗体としてビオチン標識抗マウスイムノグロブリン・ヤギ抗体を用いて免疫組織染色を行った。メチルグリーンで核染色を施した後、光学顕微鏡像をデジタルカメラシステムを介してコンピューターに取り込み、各筋線維の構成比率を計測した。その結果、口蓋帆挙筋の筋線維は抗fast抗体および抗slow抗体陽性の筋線維が混在する領域と、抗fast抗体のみ陽性の筋線維で構成される領域の2つの領域に区分された。また、筋線維構成比率は1、3、10週齢の間で有意差を認めなかった。この結果は、口蓋帆挙筋が呼吸や嚥下機能と深く関わっているため、出生時にはすでに筋線維が分化しているものと考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Yasuda et al.: "Modulation of hypoglossal motoneuron excitability by NK1 receptor activation in neonatal mice in vitro"Journal of Physiology (Lond). 534(2). 447-464 (2001)
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[Publications] K.Yasuda et al.: "The distribution of respiration-related and swallowing-related motoneurons innervating the rat genioglossus muscle"Somatosensory & Motor Research. 19(1). 30-35 (2002)