2000 Fiscal Year Annual Research Report
表面修飾電極を用いる医療薬学および環境薬学における新しい分析メディアの開発
Project/Area Number |
11470474
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大森 秀信 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (90028845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 初男 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00229311)
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Keywords | 修飾電極 / HPLC分析 / ECD / 触媒機能性電極 / 脂肪族アミン / ポリアミン / チオウレア / 内分泌撹乱物質 |
Research Abstract |
研究代表者らが開発した表面修飾電極を用いる医療薬学および環境薬学における新しい分析メディアの開発を試み、以下の知見を得た。 1.CH_3CH_2SO_3Naを含むtriethylene glycol中、2.0Vで3C通電することにより陽極酸化処理したグラッシーカーボン(GC)板を4-amino-2,2,6,6-tetramethylpiperidinyl-1-oxyl(4-amino-TEMPO)または3,4-dihydroxybenzyl amineとDMF中WSC存在下1週間更に処理するとGC板表面にそれぞれTEMPOまたはカテコール分子を、昨年度開発した手法よりも、より効果的に固定化できることを明らかにした。これらの触媒機能電極ならびにこの手法により作製可能な他の機能性分子修飾電極について、生体成分および医薬品のFIAおよびHPLC分析への活用について現在検討している。 2.指示電解質としてLiClO_4を含むtriethylene glycol中陽極酸化処理したGC電極における様々なカテコール類のサイクリックボルタムメトリーにおける応答に対する測定溶媒のpHの影響を検討した。その結果、triethylene glycol修飾電極の表面は水溶液中では適度な疎水場として作用し、測定pHにおいて電荷を持たないつまり疎水的分子として振る舞うカテコール類を選択的にtriethylene glycol修飾電極において電気化学的に検出できることを明らかにした。 3.脂肪族1級アミン類をalkyl isothiocyanateとの反応により電気化学的に活性で疎水性のより高いdialkyl thioureaに導けば、疎水性表面を有する電極を組み込んだ電気化学的HPLC法により電極表面における濃縮効果により高感度に分析できると考えられた。そこで種々検討したところ、興味深いことに疎水性分子修飾電極を用いなくても、含水量の高い移動相(H_2O:CH_3CN=95:5)を用い未修飾の炭素電極を組み込んだシステムによりdialkyl thioureaを高感度分析できることを見い出した。今後、これらのシステムのポリアミンおよびアミノ酸分析法としての可能性について評価する。 4.内分泌撹乱物質の脂質膜への吸脱着の定量的評価法として水晶振動子微小秤量装置を用いるモデルシステムの構築を行っているが、再現性よい測定系の開発にはこれまで成功していない。現在、この点を改良すべく化学的および物理的観点から水晶振動子表面の疎水性膜の分子設計を行っている。
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