2000 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠分娩産褥期に体験する女性のマイナートラブルへの看護援助モデルの構築
Project/Area Number |
11470530
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
岸田 佐智 高知女子大学, 看護学部, 助教授 (60195229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増井 耐子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (20295760)
山本 あい子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (80182608)
新道 幸恵 青森県立保健大学, 学長 (30162796)
尾崎 暢希 高知女子大学, 看護学部, 助手 (90305813)
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Keywords | マイナートラブル / 妊娠 / 女性 / 看護 / 妊婦 |
Research Abstract |
平成12年度は、11年度に行った文献検討をもとに、マイナートラブルとしてあげられている症状について分析を行った。その結果、文献の中で扱われていた症状は、痛み、かゆみ、しびれ、だるさなどの【全身に現れる症状】、排尿障害、排便障害などの【限局した症状】、性交時の症状といった【日常生活動作によって出現する症状】の大きく3つに分類された。そして、マイナートラブルとされている症状は、医学的な問題を含まないものであるが故に、マイナートラブルの症状の原因やアセスメントの視点を明確にすることで、異常との判別が可能になることが示唆された。また、文献でマイナートラブルとしてあげられている症状は、医学的視点からみた症状と同じ表現のものがほとんどであり、看護の視点として妊婦の苦痛の度合いや、日常生活上で感じているものといった、妊婦の体験に近づいた症状で表現されているものはないことが明らかになった。これらのことから、看護ケアの対象としてのマイナートラブルの定義や、そのケアについて探求することが必要であると考えた。 また、12年度はこれまでの文献検討の結果をもとに、インタビューガイドを作成し、妊婦13名と看護者5名のインタビューを実施した。その結果、妊婦はマイナートラブルによって、日常生活上の変化や苦痛を感じていること、その症状のとらえ方は個人によって様々であることが分かった。そしてその症状に対しては医療者や友人に情報を得たり、雑誌から情報を得るなどして妊婦自身が対処している場合もあったが、医療者から十分な対応が得られなかったり、その症状を我慢している場合もあった。看護者のインタビューは現在も実施中であるが、看護者がマイナートラブルの重要性を認識していない、あるいはマイナートラブルに対する看護援助に関して、対応の難しさ、自信のなさといった問題を感じていることが明らかになっている。 来年度は、妊婦、看護者のインタビューの分析を続け、これらの結果をもとに、看護ケアが必要とされるマイナートラブルについての現状把握と、看護独自の介入方法を明確にすることを目指して質問紙を作成し、調査を進める予定である。
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