2000 Fiscal Year Annual Research Report
原爆被爆者の骨髓異形成症候群(MDS)に関する疫学的、分子生物学的研究
Project/Area Number |
11480141
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木村 昭郎 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (70127645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 英夫 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (50243613)
早川 式彦 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (40022834)
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Keywords | 骨髄異形成症候群 / MDS / 原爆 / 被爆者 / 放射線 / 被曝 |
Research Abstract |
原爆被爆者の高令化に伴い、骨髄異形成症候群(MDS)の増加がみられているが、当血液内科において過去15年間に診断されたMDSの病型診断を確定し、個人線量は当研究所の開発したABS93Dを用いて統計学的解析を行った。個人被爆線量が得られたMDS例は26例であり、被曝線量反応関係を明らかにした。すなわち1Sv被爆の0Sv被爆に対する相対リスクは2.4であった。この値は最近の被爆者急性骨髄性白血病の相対リスクに近似している。また被曝線量反応関係に影響する因子として、被爆時年令を明らかにし、若年被爆者ではリスクが高いことを見い出した。性別による違いは認めなかった。しかし各病型ごとの相対リスクを得るには至っていない。次に被爆者MDSの遺伝子レベルでの異常を明らかにするため、分化型急性骨髄性白血病の原因遺伝子として同定され、二次性白血病にも関与している可能性が指摘されている転写因子AML1遺伝子の検索をすすめた。AML1遺伝子内のラントドメインの変異をPCR-SSCP及び塩基配列決定により検索したところ、原爆被爆者3例に変異を見出すなど興味ある結果を得つつある。また、MDSの病態には遺伝的不安定性が関与していると考えられるが、MDS患者の末梢血リンパ球を含む単核球について、X線DNA障害に対する4種類のDNA修復酵素の発現をRT-PCRで検討したところ、低下した症例が認められ、さらに詳細について解析中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kimura,A., et al: "Strong radiation effect for myelodysplastic syndrome (MDS) among atomic bomb survivors."Int.J.Hematol. 72(Sup.1). 110 (2000)
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[Publications] Harada,H., et al: "The AML1/ETO fusion protein represses erythroid cell differentiation, and downregulates a novel hematopoietic-specific transmembrane protein, ART-1."Blood. 96(Part 1). 669a (2000)
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[Publications] Katayama,Y., et al: "Lack of allelic exclusion and isotype class swithing in B cell chronic lymphocytic leukemia."Blood. 96(Part 2). 277b (2000)
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[Publications] Tanaka,H., et al : "Acute myelogenous leukemia with PIG-A gene mutation evolved fromaplastic anemia-paroxysmal nocturnal hemoglobinuria syndrome."Int.J.Hematol. 73. 206-212 (2001)
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[Publications] Oguma,N., et al: "Various response patterns of Ph^1 cells to IFN-α in patients with chronic myelocytic leukemia."Exp.Oncol.. 22. 73-77 (2000)