2001 Fiscal Year Annual Research Report
建築物の電磁波透過性評価と耐電磁波特性を有する空間実現の手法に関する研究
Project/Area Number |
11490011
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宮川 道夫 新潟大学, 工学部, 教授 (50239357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 靖 新潟工科大学, 工学部, 教授 (00251786)
佐伯 竜彦 新潟大学, 工学部, 助教授 (90215575)
石井 望 新潟大学, 工学部, 助教授 (50232236)
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Keywords | 建築材料 / 電気特性 / 電磁波透過特性 / 不要電磁波 / 選択的排除 / 電磁波被曝 / 電磁環境設計 / プライバシー |
Research Abstract |
(1)構造材料の電磁波伝搬特性評価 本研究を進める中で開発した建築材料の複素誘電率を自由空間において従来より格段に精度よく測定する技術、「モデルを用いた自由空間定在波法」の精度改善と取り組み、数値計算手法によりシュミレーションを繰り返し、精度が保証できる測定条件を明らかにした。大まかに言えば、600mm×600mm以上の材料面積があり、厚さは使用される一般的な条件を満たす限り、850MHz〜2400MHzの周波数範囲で建築材料複素誘電率の精度のよい計測が可能である。ただし、材料が極端に厚かったり、極端に薄い場合には何れも精度が低下する。電磁環境設計のためには、この事実を予め知識として持っていることが重要であるから、測定パラメータと複素誘電率の関係を図示したモノグラフを主要な材料について作成、複素誘電率とその評価の難易度を予測し、精度の高い測定が必要なパラメータが一目瞭然となるような研究用データベースを構築した。 (2)材料と空間のモデル開発に関する研究 開発した解析モデルの半自動作成ツールを利用して、コンクリート壁にスリットを入れたような構造物を仮定し、建築材料によって構成される空間形状と電磁波伝搬特性の関係を解析した。完全に"穴のあいた構造物"であるにも関わらず、この空間構造でも繰り返し構造による電磁波の選択的遮断が可能であることを明らかにした。 (3)低被曝化手法の研究 材料の構造やその空間配置形状を最適配置することによって電磁波伝搬特性の調節を図る手法について検討したが、空間配置の問題については得られた知見が乏しいため、材料レベルでの被曝量最適化手法を明らかにした。具体的には、対象とする排除周波数が与えられた時、その周波数の電磁透過率を最小とする複合化材料の設計手法を開発した。材料は2枚の誘電体からなっており、与えられた個々の複素誘電率と遮蔽すべき周波数が与えられると、材料の透過率を最小とする復号材料の厚さ、2種の材料の接合面の構造が与えられる。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] M.Miyakawa, K.Yaguchi, N.Ishii et al.(他2名): "Accuracy improvement in permittivity measurement of construction materials by use of a model of the standing wave method in free space"Proc., 2002 IEEE EMC International symposium. (in press).
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[Publications] M.Miyakawa, K.Sakai, N.Ishi: "Selective use of EM waves in the closed apace constructed by traditional but new construction materials with various surface structures"Proc., 2001 IEEE EMC International symposium. 2. 794-798 (2001)
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[Publications] M.Miyakawa, M.shimada, N.Ishii et al.(他2名): "Model-based permittivity measurement of construction materials by the standing wave method"Proc., 2001 IEEE EMC International symposium. 2. 1135-1140 (2001)
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[Publications] 島田雅史, 宮川道夫, 石井望, 他1名: "自由空間定在波法による実周波数での建築材料の電気特性評価-材料からの散乱の影響-"電子情報通信学会研究会資料. EMCJ2001-7. 39-44 (2001)
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[Publications] 酒井 宏, 宮川道夫, 石井望: "複合化建築材料による電磁波吸収特性の可制御性"電子情報通信学会研究会資料. EMCJ2001-8. 45-50 (2001)
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[Publications] 島田雅史, 宮川道夫, 石井望, 他2名: "建築材料の電気特性評価-自由空間定在波法における散乱の影響-"2001年度電子情報通信学会全国大会講演論文集. 通信分野. 769-770 (2001)
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[Publications] 矢口健一, 窪田昌寿, 宮川道夫, 他2名: "モデルを利用した定在波法による建築材料の電気特性評価"2001年度電子情報通信学会全国大会講演論文集. 通信分野. 771-772 (2001)
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[Publications] 酒井宏二, 宮川道夫, 石井 望: "複合化建築材料による電磁波吸収特性の制御性解析"2001年度電子情報通信学会全国大会講演論文集. 通信分野. 773-774 (2001)
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[Publications] 酒井宏二, 小宮山尚弘, 宮川道夫, 他3名: "複合化による電磁波吸収特性を利用した建築材料の設計"2002年度電子情報通信学会全国大会講演論文集. 通信分野(印刷中). (2002)
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[Publications] 矢口健一, 島田雅史, 宮川道夫, 他3名: "自由空間定在波法による実周波数での建築材料の電気特性評価-モデルを用いた定在波分布測定法の妥当性・有効性評価"2002年度電子情報通信学会全国大会講演論文集. 通信分野(印刷中). (2002)