1999 Fiscal Year Annual Research Report
金属酵素の不安定中間体を観測するための高速溶液混合実験システムの開発
Project/Area Number |
11554027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森島 績 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50026093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 聡 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30283641)
石森 浩一郎 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20192487)
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Keywords | 高速混合装置 / 西洋ワサビペルオキシターゼ / Compound I / 鉄オキソポルフィリンπカチオンラジカル / Compound 0 |
Research Abstract |
平成11年度は、時間分割吸収スペクトル装置に装着する高速液体混合装置の改良と、ヘム酵素のひとつである西洋ワサビペルオキシターゼの反応中間体を捕捉するための変異体、R38L(Arg38-〉Leu)の作成を試みた。従来の高速液体混合装置では捉えきれなかった種々の反応中間体を捕捉するため、より高時間分解能を実現する混合装置を考察し、流路の断面が従来の装置より細い200μm四方である混合装置を製作した。その時間分解能を測定したところ、混合後、約200μ秒後には均一な混合が得られることが示され、混合後、ミリ秒以下の領域でも良好なスペクトルが得られる可能性が明らかとなった。試料からの透過光を検知する部分には、高時間分解能、高感度のCCD素子を使用し、200から800μ秒の領域での波長幅約200nmの過渡スペクトルの測定に成功した。この装置を用いて天然の西洋ワサビペルオキシターゼと過酸化水素の反応を追跡したところ、反応開始後、200μ秒後においても反応中間体としては従来から捕捉されているcompound Iしか観測できず、compound Iの前駆体で、ペルオキシターゼ反応でのもうひとつの反応中間体であると想定されているcompound 0は同定できなかった。そこで、西洋ワサビペルオキシターゼのアミノ酸変異体の中で、そのcompound Iの生成速度が極端に遅いと報告されているR38L(Arg38-〉Leu)の作成を試みた。現在、この変異体の大量精製の段階であり、来年度以降も引き続いて本年度成功しなかったcompound 0の捕捉についてこの変異体を用いて検討し、更に天然型酵素でのcompound 0の捕捉を目指して、流路を細くすることや流速を上げることで時間分解能のより一層の向上を試みる予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tanaka M.: "Luminol Activity of Horseradish Peroxidase Mutants Mimicking a Proposed Binding Site for Luminol in Arthromyces Ramosus Peroxidase"Biochemistry. 38. 10463-10473 (1999)
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[Publications] Furukawa Y.: "Pressure Dependence of the Intramolecular Electron Transfer Reaction in Myoglobin Reinvestigated"J. Phys. Chem. B. 104. 1817-1825 (2000)
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[Publications] Inaba K.: "Substitution of the Heme Binding Module in Hemoglobin α- and β-subunits -Implication for different regulation mechanism of the heme proximal structure between hemoglobin and myoglobin-"J. Biol. Chem.. 275(印刷中). (2000)