2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11557158
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上田 実 名古屋大学, 医学部, 教授 (00151803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重冨 俊雄 名古屋大学, 医学部, 講師 (80273225)
各務 秀明 名古屋大学, 医学部, 講師 (80242866)
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Keywords | 唾液腺 / 組織再生 / 唾液腺培養 / 塩基性線維芽細胞増殖因子 |
Research Abstract |
本研究では、In vivo,In vitroにおける唾液腺組織再生の可能性に関して検討を行った。 (導管結紮によるラット顎下腺萎縮モデルラットに対する塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の影響) ラット顎下腺導管の結紮モデルを使用して、結紮除去後に起こる細胞増殖過程とbFGFによる影響について検討を行い、以下の結果が得られた。 1) 2週間の導管結紮により顎下腺の腺房は著明に萎縮し、重量は結紮前の26%に減少した。 2) イソプロテレノールおよびbFGFの投与によりPCNA陽性細胞は有意に増加した。 3) bFGFのIn vivoにおける細胞増殖促進効果は10ng/ml(1.0ng/gland)で最大となった。 4) イソプロテレノールでは導管系の細胞を中心に陽性反応が認められるのに対し、bFGFによる増殖促進は、腺房細胞を含めて幅広い細胞に認められた。 5) bFGF投与2週間後びは、対照群と比較して重量の増加と腺房を中心に組織の著明な回復が認められた。以上よりbFGFは萎縮唾液腺組織の再生を促進する可能性が示された。 (清浄唾液腺細胞に対するbFGFの影響) 培養唾液腺細胞および正常唾液腺組織に対する塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の影響に関して検討したところ、以下の結果が得られた。 1) 培養唾液腺細胞に対し、bFGFは100ng/ml以上の濃度で、有意な増殖促進を示した。 2) bFGFの作用時間は短時間(1時間)と長時間(12時間)とも同様に培養唾液腺細胞の増殖を誘導できることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 岡崎恭宏: "導管結紮によるラット顎下腺萎縮モデルに対する塩基性線維芽細胞増殖因子の影響"日本口腔科学会誌. 45・2. 73-79 (1999)
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[Publications] 平松善之: "唾液腺組織の再生に関する研究-正常唾液腺細胞に対するbFGF (FGF-2)の影響-"日本口腔科学会誌. 48・1. 50-53 (1999)
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[Publications] Yoshiyuki Hiramatsu: "Effects of fibroblast growth factor on cultured rat and human submandibular salivary gland cells."Archives of Oral Biology. 45. 593-599 (2000)