2000 Fiscal Year Annual Research Report
低透水性土壌層および硫黄導入による畑地等地下浸透水からの窒素除去技術の開発
Project/Area Number |
11558074
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
川西 琢也 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (80234087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福浦 清 前澤工業(株), 土壌環境部, 技術課長
花木 啓祐 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00134015)
林 良茂 金沢大学, 工学部, 教授 (60019750)
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Keywords | 硝酸態窒素 / 地下水 / 土壌 / 脱窒 / 窒素除去 / 透水性 / 保水性 / 酸素拡散速度 |
Research Abstract |
本研究の目的は,土壌中に低透水性土壌層を設置し,そこでの酸素の拡散を抑制し,その下層に脱窒に必要な電子供与体である硫黄を投入しておくことにより,脱窒を促進して浸透水から硝酸態窒素を除去する技術を開発することである。本年度は,実験室において,内径15cm,高さ80cmの土壌カラム中に20cmの厚さの低透水性土壌層を設置,その下部20cmに硫黄と炭酸カルシウムをそれぞれ土壌重量の5%となるように混入したものを準備,濃度20mg-Nl^<-1>の硝酸カリウム添加水道水を供給し,土壌中の水分分布,出口硝酸態窒素濃度を測定した。低透水性土壌は,試行錯誤的に様々な土壌(砂)を用いたが,最終的に径0.1〜0.35mmの砂の分画を用いた場合に,Darcy流量0.1m day^<-1>での一定供給,温度20℃程度の条件下で,出口硝酸態窒素濃度を約10mg-Nl^<-1>に低下させることに成功した。対照として,低透水性土壌を投入しない以外はまったく同様に準備したカラムにおいては,硝酸態窒素濃度の低下は見られず,この方法によって窒素除去が可能であることが明らかとなった。 以上のように,Darcy流量0:1m day^<-1>程度,あるいはそれ以上で水が浸する場での窒素除去法の開発に成功し,本研究の当初の目的の一部を達成したと考えられる。今後,計画どおり,少し規模の大きく(内径30cm,高さ1.5m),塔底での圧力調整が可能なライシメーターで、第1段階のスケールアップ実験を行なうとともに,この技術をさらに広範囲の流量条件に適用するために,シミュレーションモデルを作成し,各種条件下における最適な低透水性土壌層の選択指針を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(1 results)